| 最近、100人くらいのアルミダイキャスト部品メーカーAがISO9001を取得した。審査機関はL機関である。このメーカーも管理規定ゼロ、QC工程表ゼロ、品質保証体系図ゼロ、図面番号以外の文書番号ゼロ、配付台帳ゼロ、マニュアルの頁ごとの改訂履歴ゼロという標準システムで合格した。 |
| ここは、部品メーカーなので、顧客から部品図面が来る。そうなると、「図面書き」がないから設計がないという審査員が登場する。しかし、この部品メーカーには、顧客図面よりはるかに複雑なダイキャスト図面がある。これで、ほとんど、部品の品質が決まる。しかし、審査員は柔軟な理解ができないとこれは設計でないということがある。 |
| ところが、Aメーカーは、稀に、型だけ売ることもある。その場合、型は製品だから、製品設計である。これでは、どんな審査員でも認めざるを得ない。そこでAメーカーのマニュアルの「4.4 設計管理」には、製品設計としての型設計と、工程設計との型設計があり、これは、全く同じ内容なので、同じ型設計として扱うという定義をしている。これで、どんな審査員がきてももめることはないので、予備審査から問題はなかった。もし、ISO9002でよいとしても、この高度の型設計技術の管理は、「4.9工程管理」では、到底カバーできない。顧客への品質保証という立場から言えば、「4.4 設計管理」の適用が望ましいことは明らかである。 |
| R審査機関は、顧客の品質保証の観点から、工程設計を設計管理として扱うべきとしている。最初、このメーカーAは、R機関を予定したが、高圧的な審査員がいるのでL機関に変えた。2000年改訂は、「品質保証」規格から「品質マネジメント」規格に変わった。その趣旨は、顧客の満足の向上にあるという。それは、トヨタ方式、デミング、田口メソッドという日本が生み出した工程設計の手法の重要性を示すものである。 |
| 日本経済は今、元気がないが、世界レベルの品質を生み出した先輩たちの日本式の良いところまで捨てて、さらに泥沼に陥ることは愚かなことであろう。 |