西沢総研 ISO9001/ISO14001 ISO9000と納期管理(H12年12月1週号)
1. 審査員インストラクターの意見
 私は、1993年にIRCAの主任審査員コースを受けたが、このときの講師は、ニュージーランドから来た資格をもった講師であった。その後、日本に講師として、十数回来たが、大抵、夕食をともにして、ISO9000の討議をした。これがISO9000規格の英語の訳でおかしいことを理解するのに大きく役立った。
2. 納期管理についての議論
 あるとき、私が「ISO9000には、納期管理に関する要求がないので、納期について、システムとして不適合にできない。」といったら、彼は、かなり、不満足で「いくら品質がよくても、納期が遅れたら、顧客の満足を得ることができない。不適合である。」と強硬であった。
3. 納期管理システムの基本要素
 信頼ある納期管理をしているかは、次のシステムがあるかどうかで分かる。
(1) 受注した負荷を適切な正確さで把握しているか(通常は時間単位)
(2) それに対応する現在の能力を適切な正確さで把握しているか(負荷と同じ単位)
(3) 負荷と能力を調整しているか(山崩し)
(4) その結果、日程を決めているか
(5) その日程をきちんとフォローして、遅れを早期に防止しているか。
 しかし、これらの要素の要求はISO9000のどの条項にもない。
4. 自動車部品と納期管理
 自動車部品は、納期が厳しい。だから、アメリカの自動車部品業者に対する規格であるQS9000(ISO/TS16949)では、ISO9000に納期管理システム要求のないことを補うために、「4.15.6 引渡し」に追加して、「納入実績の監視」と「生産計画」の要求がある。興味あることに、これは、「引渡し」への追加であって、「4.9 工程管理」への追加でないことである。もともと、「4.9 工程管理」には、納期管理の要素がないのである。