ISO17025の予防処置
(H20年2月3
週号)

「B氏の質問」
私の企業は、ISO 17025を取得している試験所です。
ご承知のようにISO/IEC 17025は「試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」と言われています。1999年に発行された、試験所及び校正機関の品質マネジメントシステムの確立と、認定を通して試験所及び校正機関の能力を認めるための国際規格です。
この規格の特徴は、規格が大きく2つの部分に分かれていて、前半がISO9001と同様なマネジメントシステム要求で、後半が試験所や校正機関の技術的な要求で、貴社のHPでいう「コアシステム」に関する技術的な要求事項です(このHPの「基礎知識」コーナーの「マネジメントシステムとコアシステムの分離:H19年11月1週号」参照)。
ですから、製品である提出書類にマークをつけることができます。
これはマネジメントシステム審査と製品審査(製品試験)がセットとなっているJISマークCEマーク制度と同じです。
質問が2つあります。
「質問1」
予防処置については、下記の海外の資料からリスクアセスメントと継続的な改善と理解しています。この考えは、正しいでしょうか?
Preventive Action Guide Line
The first is risk assessment and the second is continuous improvement.
「質問2」
手順書の作成の目的が、すっきりしていません。試験品の種類が多く、現物が試験の日に初めて見ることもあり、試験品ごとに手順書を作成できていません。

「私のコメント」
「質問1に関連して」
ガイドの言う通りで、正に私の意を得たガイドです。リスクアセスメントは計画時点で、リスク(不適合)をできるだけ予測し、計画にリスク排除を盛り込みます。われわれが行動前に計画するのは、基本的に予防処置のためです。「彼を知り、己を知れば、百戦危ふからず」です。
継続的改善も次の計画力の向上が狙いです。

「質問2に関して」
貴社の実状を詳細に知りませんが、通常、手順書は2分類でき、それに着目すると簡潔で実用的な文書体系となります。
私は宅配便の例で示すのですが、個別の宅配には地図(カーナビ等)の情報が不可欠です。
しかし、車の運転は運転免許をとり、毎日のように車を運転していれば、繰り返し同じ動作をしていることになります。この情報は体得されており、文書化していても手元には不要です。また、車の運転は手順書がなくても、指導員の実際の訓練で習熟でき、その証明、すなわち、運転免許書保持で一々、運転マニュアルを見ないですみます。
貴社の場合も、繰返す試験手順と、顧客の個別な試験要求とに情報を分離できるのではと思います。さらに通常は、顧客の要求によって異なる情報は顧客要求の文書を利用できることが一般です。