| 「T氏の質問」
1.審査員の指摘
サーベイランスにおいて、下記2点の指摘をされました。
(1)「8.2.2 内部監査」において、「経営者の責任」の監査が実施されていない。
(2)「7.5.2 製造及びサービス提供に関するプロセスの妥当性確認」において、「樹脂成形工程」が除外されている。
2.当社の現状説明
(1)当社では、内部監査の依頼者は経営者という考えで、依頼者まで監査する必要は無いと考え、管理責任者までを監査しています。
(2)「樹脂成形工程」は、成形条件設定と加工後の製品の外観及び特定の寸法確認により、妥当性の再確認が行われています。すなわち、「7.1/8.2.4」で管理しており7.5.2を適用すべきプロセスと考えていません。審査登録は1999年にしましたが、一度も指摘されたことは無く、9年後の今回初めて指摘されました。
以上の点について、コメントをお願いします。
「私のコメント」
1.「8.2.2 内部監査」で「経営者の責任」の監査が未実施という審査員の指摘
経営者も内部監査の対象です。内部監査の依頼者は経営者であるとしていますが、ISO9001:2000のマネジメントシステム要求が「依頼者」です。「経営者の責任」もマネジメントシステムの1つの要素であり「聖域」ではありません。
2.「7.5.2」の適用に「樹脂成形工程」が含まれていない審査員の指摘
通常の機械加工では、加工条件設定を行い、「段取り試作」を行います。また、加工途中、抜取りで測定して確認します。これは「7.1/8.2.4」による管理でなく「7.5.1」のe)の「規定された監視及び測定」です。加工設定条件の「妥当性の確認」とも言えます。
しかし、「7.5.2」は「適用される工程」が「製造及びサービス提供の過程で結果として生じるアウトプットが、それ以降の監視及び測定で検証することが不可能な場合」と限定されています。長たらしいのでISO9000:2000用語定義「3.4.1」の参考3を借りて、私は「特殊工程」という簡単な用語を使います。すなわち、「7.5.2」の適用は「特殊工程」に限定されます。
貴社の「樹脂成形工程」のアウトプットに要求される品質が外観や寸法だけで強度などの要求項目がないならすぐに監視及び測定できるので「特殊工程」となりません。
「特殊工程」の除外は大きな問題だけに、維持審査で指摘されるのは、審査機関の解釈の変更か、審査員の判断は個人的な意見となります。審査機関の解釈の変更であれば、認定機関が承認した文書で審査前に貴社に通知すべきです。
なお、ISO/TS16949は7.5.2の除外を認めていませんが、貴社が「樹脂成形工程」の加工条件設定を行い、試作なり、加工途中での検査をしていれば、そのまま、7.5.2の管理と同等のことをしているのでISO/TS16949でも問題ありません。
その意味で、「特殊工程」はおかしな考えとも言えます(このHPのISO9001項目別分類コーナーの7.5の「7.5.2の解釈トラブルの基本原因:H19年4月2週号」参照)。
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