「T氏の質問」
当社は検査の受託サービスを行っている会社で、検査ソフトや器具は全て顧客からの支給または指定です。
先週ISO9001の維持審査を受けました。いくつかの改善指摘がありました。
その中で次の件が受け入れるかどうか迷っています。
「審査員の改善指摘」
「内部監査は、内部品質監査規程に基づき、内部品質監査プログラムが作成され、それに従い実施されていましたが、規格要求事項の全ての項目が計画通り、正しく実施完了したかどうかが明確でなく改善の余地があった」
「T氏の説明」
「当社は7.3項が適用除外なので、当然、マニュアルに明記し、審査機関に登録しているのですが、審査員は、確実に除外されていることを内部品質監査で確認する必要があるということを指摘しました。
しかし、疑問に思うことは、内部品質監査で確認するとしても、監査対象自体が無いわけですから、内部監査員が『該当なし』と言う以外に無いように思いますが、それで良いのでしょうか。
昨年度はマニュアルの除外理由に『設計・開発についての責任がないこと』を明記するように『指導』されたのですが、除外に関しての規制がだんだん厳しくなっているのでしょうか。」
「私のコメント」
7.3の設計の除外ですが、これはISO9001:2000の4.2.2 品質マニュアルのa)で除外を明記するように要求しています。除外という意味は「規格の要求事項のいずれかが適用不可能である」という意味です。
マニュアルに明記して認証された以上、対象システムがないので、内部監査であろうと、外部監査であろうと規格要求の対象外という意味です。したがって、監査する基準がありません。誰も監査のしようがありません。
審査員も、マニュアルで除外されているし、審査機関にそのように登録されているので、維持審査のたびに、毎回、設計業務をチェックし「ありませんね」と確認するようなバカなことはしないでしょう。
この審査員の指摘は「神学論争的」な無意味な指摘で「改善」でなく、貴社のマネジメントシステムが「理屈に合わない」という「論理の喪失」を引きおこす「改悪」となります。
除外理由に「設計・開発についての責任がないこと」など、いくら書き方を工夫しても、「ないものはない」としか言いようがなく「国語遊び」になり、意味がないですね。
除外については「特殊工程」の除外が、いろいろ物議をかもしているようです(このHPのISO9001項目別分類コーナーの「ISO9001:2000維持審査の指摘:H20年3月3週号」参照)。
しかし、このような「不毛な文章論」に審査員と一緒になって熱中して、品質は除外のあるなしで決るのでなく、現場の技術力できまることを忘れてはいけません。
そうしないと文章は立派になったけれど、品質は低下するという結果になります。 |