品質目標の立て方
(H20年4月3
週号)

「S氏の質問」
当社は製造業です。
ISO9001:2000の5.4.1に「品質目標」の設定要求があり、4.2.1のa)では文書化要求がありますが、当社では毎年部門別に「品質目標計画書」により目標を設定し文書化しています。測定可能な目標ということで、例えば、「不良率3パーセント以下に低減」など改善の数字目標も設定しています。
問題なのは、達成度がよくないのです。これは目標数値の決め方に問題あるのでしょうか?

「私のコメント」
ISO9001:2000の審査では、マニュアル通りに、品質目標計画が文書化され、これがフォローされて、達成度が自覚され、なんらかの手を打つというマネジメントサイクルがまわっていれば、目標達成度がどうかは、本来、審査対象にならないでしょう。
達成度が悪いと目標の立て方についてのコメントは審査員からあるかもしれませんが、解答は期待できません。
品質目標を改善目標として立てた場合、数値だけ精神論的に決めたときに問題を起こします。要するに作文的な目標計画書になっているときです。
目標は到達点ですから、それに到達する具体的な手段の計画がないと、最初から到達点に到達できないのは明らかです。
ISO14001:2004でも環境目的・目標の設定要求がありますが、ここでは規格の4.3.3のb)で「目的及び目標達成のための手段及び日程」という具体的な要求があります。
それと同じように、品質目標も「手段」の明確化が必要でしょう。
「不良率の低減」であれば、どのような「手段」で低減するかがポイントになります。
「手段」は製造業の場合は、技術的な内容でないと効果的でありません。「管理の徹底」と言っても、抽象的ですし、今までやってきたことです。何が具体的に変わるかが問題でそれが現場の品質を作っている工程にどのような技術的な影響を与えるかが、読めていないと「効果的な手段」を決めることは出来ません。
むしろ、具体的な「手段」があって、目標をきめないと最初から達成は期待できない計画を紙に書いているだけです。
その意味で効果的な「品質目標」の設定は、日常の企業の技術的な改善能力の蓄積が背景にあるかできまります。その蓄積がないと品質目標の設定は空文化するでしょう。