マネジメントレビューにおける記録内容
(H20年5月2
週号)

「G氏の質問」
当社は30人くらいの製造業で、マネジメントレビューは年1回で、そのアウトプットは「マネジメントレビュー記録書」という書類で行っています。
マネジメントレビューの結果は記録することになっているので、これが記録として保管されています。
書式は、参考にしたインプットを5.6.2のa)からg)までを記録し、次の下の欄で5.6.3のアウトプットをa)からc)まで書いて記録しています。
a)については、「現行システムの定着促進」をマネジメントレビューの結果としています。
ところが観察事項ですが、審査員が「『品質方針及び品質目標の評価をした』という文章を記録に残すべきだと指摘していました。
これは、5.6.1の一般で「このレビューでは品質マネジメントシステムの改善の機会の評価、品質方針及び品質目標を含む品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価を行うこと」とあるのに関連しているようです。
なお、品質目標については、その達成度は毎月、月報で社長に報告されており、これがマネジメントレビューのインプットになっています。

「私のコメント」
この部分は英語のニュアンスと違うようです。
英語に忠実に表現すると、「このレビューは『品質マネジメントシステムの改善の機会の評価』と『品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価』を行うことである」となります。そして、「品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価には品質方針と品質目標を含むこと」となります。
すなわち、マネジメントレビューの中心は2つあり、「品質マネジメントシステムの改善の機会の評価」と「品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価」です。そして、後半の「品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価」の一部に品質方針と品質目標が含まれるという意味となります。
すなわち、品質方針と品質目標の評価は一ランク下の検討テーマです。ランクが異なるテーマをレベルを揃えて並列に書くというのは論理的に矛盾しています。
ところで、マネジメントレビューとして記録を求められているのは、「マネジメントレビューの結果」であって、プロセスの記録は要求していません。
マネジメントレビューのプロセスの記録として「品質方針と品質目標を評価した」と書くなら、規格にそって、「品質マネジメントシステムの改善の機会の評価」と「品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価」を書かないと論理的に片手落ちになります。
貴社の今回のマネジメントレビューの結果が、現行システムの維持定着促進であれば、「品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価」については、「変更の必要がない」という「結果」を意味していることになります。当然、自動的に下位レベルの品質方針や品質目標の変更もしないということを意味します。
なお、貴社の場合、月報で品質目標達成度が社長に報告されており、それが「マネジメントレビュー記録書」のインプット欄に記載されているので、自動的に品質目標の達成状態は評価されていることになります。
審査員の指摘は体系的に論理性がなく、そのようなプロセスの記録記事は追加して書く必要はないと思います。