| 「M氏の質問」
当社は50名くらいの製造業ですが、遅ればせながらISO9001:2000認証に挑戦しています。
審査員の指摘の中で、次のような品質目標についての指摘がありました。
当社は、部門は製造部門、生産管理部門、営業部門、資材部門、品質保証部門、総務部門の6部門に分かれています。もっとも、小企業なので、大部分は製造や検査(品質保証部門)の人員で、例えば、生産管理部門などは、実質、女子1名です。
そこで、品質目標は製造部門と品質保証部門の2部門に絞りました。
ところが第1次審査で審査員が、次のように、全部門に目標設定をするように要求しました。
当社は、別会社ですが、中国にも工場があります。そこでは当社よりも早く、ISO9001:2000をとっているので、問い合わせたら、やはり全部門に品質目標を設定しているということでした。
「審査員の指摘」
製造部門・品質保証部門以外の部門でも、該当する範囲で品質目標を設定すべきである。品質だけでなく、コスト、納期なども含め、営業部門は売上増、生産管理は納期順守率、総務などは事務のミス防止などを検討すべきである。
「私のコメント」
この件はすでに2000年版が出てから、繰り返し、このHPに登場しています(このHPのISO9001項目別分類コーナーの「全部門の品質目標を規格は要求しているか?:H17年3月4週号」参照)。
原点にかえって規格を読むと「組織内のそれぞれの部門及び階層で品質目標が設定されていること」という要求があります。この「それぞれの部門」は「全部門」という意味はありません。
理由は原文の英語は「relevant functions」であって、「関連する部門」と訳したほうが正確だからです。さらに、根拠として、ISO14001:2004の「環境目的・目標」で同様に部門別目標の設定要求がありますが、これも原文の英語は「relevant
functions」と同じです。しかし、日本訳はISO14001:2004では「関連する部門」となっています。このほうが、誤解がないでしょう。
これはOHSAS18001の「労働安全衛生目標」も99年版では「each
functions」となっていたのが、2007年版では「relevant
functions」と改訂されたことを見ても意味することは明確だと思います。
JABのホームページのワークショップの解説では、日本のISOの委員が「推奨」として次のような趣旨の解説があります。
「94年版では、品質目標がトップから第一線作業者まで同じでものがあったり、製品品質に直接関係しない部門も形式的に目標設定したりする例があった。意味のある目標管理が望ましいとの考えから、部門、階層での目標設定にしたのが2000年改訂の趣旨である。」
ちなみに、「品質目標」という用語を、ISO9000:2000の用語定義集でひいてみると「3.2.5 品質目標」は「品質に関して、追及して、目指すもの」とあります。
営業部門の売上20パーセント増という目標が、「品質目標」でしょうか?
ビジネスセンスの問題ですね。
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