改訂履歴に初版を書くかどうか
(H20年12月2
週号)

「A氏の質問」
当社は中小企業の製造業です。ISOマネジメント文書の改訂履歴欄の第1行に初版年月日と作成、審査、承認を書いています。しかし、表紙などに初版の作成、審査、承認欄があり、そこでも同じように作成、審査、承認の印と日付を記入しており、重複しています。
ムダなやり方だと思うのですが、何か、決まったパターンがあり、ISOでは暗黙的なルールになっているのでしょうか。
「私の回答」
まず、ISOマネジメントシステム規格では、改訂履歴の記録要求はshallでなく、現在の改訂版の識別がshallですから、その方法は改訂履歴記録だけでなく他にいろいろな簡素なものもあります。ここでは、改訂履歴による方法だけコメントします。
(1)図面の場合
ISO以前に、製造業で使用する品質に関する文書の中心は図面でした。通常、図面には「図面番号」がとられ、一部変更があると「枝番(Δ番号など)」が発生し、識別していました。その枝番は図面中に欄があり、変更が発生するときだけ、記入します。そして、その場合、初版の作成、検図、承認などは別の欄に記入され、履歴欄のほうは変更がないと空欄となります。現在でも図面の改訂履歴はそうなっている例が多いと思います。
(2)ISOマネジメントシステム文書の場合
@イギリスの例
手元にあるイギリスの中小企業A社のマニュアルは、基本的に各管理規定が1頁なので、表紙がいきなり本文となり、その本文の第1頁の上に承認のサインがあり、規定に添付して独立した改訂履歴欄があります。そして、改訂履歴欄の第1行には初版日が書いてあります。しかし、改訂履歴欄の各行には承認欄はありません。これは、改訂のたびに本文全体が変わり、そこに改訂版に対する承認サインが行われるから不要になったと思います。
また、手元に、1995年にイギリスで発行された「ISO9001文書の作り方」という英文の小冊子がありますが、ここでも改訂履歴欄の第1行に初版日を書いている例が載っています。この場合は、承認欄までついていて、ムダな方法だと思います。
A日本の場合

改訂履歴欄の第1行に初版を記入して、表紙とダブって、作成、審査、承認とその日付を書いているのが多いようです。日本はISO9000の導入とともに、従来の図面方式をそのまま使うのでなく、イギリス流を盲目的にまねたのではないかと思います。
B私の場合
私は、ISO文書でも従来の図面方式を踏襲し、改訂履歴欄に承認欄を作り、その名の通り改訂だけを記録しますので、初版を履歴欄に重複して書くムダな方法をとっていません。