有効性と効率は別のものか?(H13年1月1週号)
 2000年改訂では、ISO9001とISO9004を「整合性のある1対の品質マネジメント規格」とすることになったが、ISO9001に「改善」が追加されたため、ISO9004との違いを明確にすることが、難しくなったようである。そのため、ISO9001は、有効性だけで効率を含まない改善で、しかも、システムとプロセスだけであるという。そして、ISO9004は、より広範囲で製品、システム、プロセスを含み、かつ、効率を含むという。
 そこで、有効性と効率はどう違うのかというと、有効性が良いというのは、不良品を作らないということであり、効率が良いというのは、より少ない資源で、有効性の良い製品を作ることだという。そうすると、ISO90001では、効率を無視してもいいから、有効性を高めるということになり、ISO9004では、効率が含まれるということになり、改善の方法に「整合性」がないことになる。何故なら、どんなに小さな改善にも、効率の判断がついてまわる。あるいは、トヨタ生産方式のように効率をよくすると、有効性(品質)もよくなることがある。
 改善というのは、従来の「方法」を変更する。変更にはいろいろな案があり、そこから選択する意思決定がある。そのとき、同じ有効性の得られる案がいくつもあれば、効率の高いものが採用される。有効性があって、投資が高くつけば、案は捨てられる。すなわち、有効性は、効率とセットである。それは、常識である。高度な思考ではない。提案制度で、「それは、効果があるが、投資がかかる」というと、賞金は参加賞のテレホンカードになる。
 企業側がある改善案を採用しないとき、その理由は、投資効率が悪いからだと言ったら、審査員はどうするだろうか。ISO9001では、効率を考えないので、その改善案は、行うべきだと言ったらナンセンスとなる。
 田口メソッド(品質工学)では、品質のバラツキを制御するパラメーターをさがし、これにより、バラツキを減らし、コストを下げる。田口氏は、品質工学という言葉を好きでないらしく、コストダウン手法だと言っているそうである。改善には有効性と効率いう概念はあるが、意思決定では、一緒である。フランス語では、efficusで区別する言葉がなく、一緒であるという。