| 「K氏の質問」
当社は受注生産をしている20人くらいの中小の食品製造業です。ISO9001:2008を取得しています。
最近、問屋業である顧客A社がISO9001:2008を取得しました。この業者には製造機能はありません。したがって、当社は購買先となります。
最近、そのA社が購買先審査と称して、工場審査に来ました。その審査チェックリストを見ると、「金属検出機には使用説明書を貼り出してあること」というのがあります。
当社のISO9001:2008では、以前から行っていたメーカー添付の標準テストサンプルにより、始業時にテストを継続して取り入れており、記録も残しています。
当然、新人が始めて使うときには、作業標準書にある操作手順により、現場で操作訓練、始業時のテスト作業の訓練を実際にやります。自動検査機なので、一度、使用方法が分かれば、稼動又は停止のボタンを押すのとチェックシートによる点検だけです。
したがって、使用説明書を毎日読むことはなく、この掲示はまったく意味がなく、ムダです。従業員もムダな文書の貼り付けで、ムダを判断する論理性を失うと思います。
しかし、顧客のうちの1社でもあるし、掲示は簡単なのでしておこうと思います。
「私のコメント」
作業をしている作業者の上や前に作業標準書などを掲示する例はよくあります。私が2000年の春、イギリスのISO9001取得の自動車部品の工場を見たときも、作業者の前に貼ってありました。そして、作業者がまったく、それを見ないで作業しているのも同じで、文書過剰のISO9001に国際的に共通している現象だと思いました。
このムダにISO9001以前から気がついていて、論理的な説明をしたのはトヨタです。40年前ほど、すでに次のような説明を社内的にしています。
「例えば、作業標準について考えると、作業者は数十回乃至数百回繰返すとその作業に習熟するので不要となり、得てして机のひき出しにしまわれることが多い。そうなると監督者は大勢の作業者を相手にそれが標準作業通り行われているかどうかを知る方法がなく、現場管理は杜撰となる。従って、管理の徹底という面を考えると標準類は作業者のためであるというより、むしろ監督者のためにあると考えなければいけいない。そして、必ず標準は現場に、目で見て判るように掲示させるべきである」
掲示の目的が違うのです。
ましてや、金属検出器の場合は、自動機なのでいったんスイッチを入れれば、後は無人で動いています。掲示の必要はさらにありません。
この場合、ISO9001:2008の要求になく、かつ、貴社が必要と認めないが、顧客の強制により作成した文書を「外部文書」の定義に含めます。そして、掲示した「使用説明書」に「外」と捺印して、識別します。そして、貴社の自主性を維持します。
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