| ISO9001:2000の「4.1 品質マネジメントシステム」の一般事項の最後に「要求事項に対する製品の適合性に影響を与えるプロセスをアウトソースすることを組織が決めた場合には,組織はアウトソースしたプロセスに関して管理を確実にすること。」とある。さらに、JIS独自の参考である2.では「ここでいう"アウトソース"とは、あるプロセス及びその管理を委託することである。"アウトソースしたプロセスを確実にする"とは、外部委託したプロセスが正しく管理されていることを確実にすることである。」 |
| 問題は、「何が正しい管理」かである。誰がそれを決めるのかである。 |
| アウトソースした外注の原因でトラブルが出たとする。トラブルが出たのは「手順書が明確でないからで、手順書をきちんと書くのが『正しい』管理である。」と要求したらどうなるか。それは、『正しい管理』ではない。ある部品メーカーが不良を出した。納入先では、「QC工程表が不備である。」と「正しい管理」を要求した。その部品メーカーの品質保証部長は、何回もQC工程表を持参し、納入先の品質保証部門の添削を受けたが、そのうちに嫌気がさして退職したという。たまたま、私が、その外注を訪問し、原因を調査したら、問題は加工の治工具の問題であった。「何が正しい」のであろうか。 |
| 「中小企業のためのISO9000:ISO/TC176よりの助言」には、「作業者がフォークリフトを運転できないならば、解決策は指示書を書くことでなく、訓練を行うことである。」とある。イギリスIQA発行の「小企業と品質システム」では、「過度の詳細の文書化は、かならずしも管理の強化にならない。むしろ、できる限りさけるべきである。適切な訓練とその記録によって、詳細な作業指示書の作成を不要とすることができる。」と同じことを言っている。 |
| この方法が「正しい」なら、外注に要求することは「精緻な手順書の作成」ではない。中には、戦後経済を乗り越えてきた外注のオヤジに、子供くらいの若い外注管理担当が経営に口出しをすることもある。これは、「正しい管理」であろうか。 |
| このISO9001:2000の要求で、アウトソースされた外注がウンザリする(客観的には正しくないが、アウトソースプロセスを管理している本人は正しいと思っている)ような介入が、増加することが予想される。それは、品質マネジメント8原則のh)の「供給者との互恵関係」の「組織及びその供給者は独立しており、両者の互恵関係は、両者の価値創造能力を高める。」ことになるのであろうか。 |