| 1.審査機関の選択 |
| A社は、建設関係の会社であるが、すでに取得した企業が過剰な文書で悩んでいるのをみて、できるだけ簡素化したシステムでISO9001を取得したいと思った。それには、まず、高圧的でない審査機関を選択するのが重要だと思い、管理責任者は7つの審査機関を回った。これは日本系、外資系が半々程度であった。結局、押し付けが無い外資系のうち、B審査機関を選択した。私は、その審査機関では、管理規定ゼロは初めてであるので、念を押したほうがよいとアドバイスした。管理責任者は、品質マニュアルの素案ができたとき、それを持って再度、B審査機関を訪問し、問題ないという確認を得た。 |
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| 2.書類審査の驚くべき結果 |
| すでに、全面的に実施段階になり、予備審査の前に、書類審査があった。担当した主任審査員は96項目を指摘してきた。「帳票の欄が狭い」とか、審査なのか指導なのかメチャクチャであった。96項目の中には、「本審査には、審査員の人数分だけ、マニュアルをコピーして、非管理版と捺印しておいてください。」という連絡事項も1つ入っていた。どの指摘もISO9001のどの条項に抵触するかは、全くふれていなかった。 |
| この審査員は、審査という意味を理解してないのではないかと、管理責任者は唖然として、B審査機関のマネージャーにクレームをつけた。マネージャーから、その主任審査員に連絡がすぐ行き、主任審査員はあわてて、A社に来た。主任審査員は始めて会社を訪問したことになる。そして、失礼をわびて、指摘事項を12項目に減らして帰った。 |
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| 3.96項目へのコメント |
| その時点で、管理責任者から連絡が入った。私は、そういう裏取引のようなことはよくない。B機関の正式文書は96項目であるので、あくまで、96項目に対して異議を言うべきであるとアドバイスした。管理責任者は、正式に96項目について、文書でコメントを審査機関のマネージャーと審査員に送付した。 |
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| 4.最終的な書類審査の指摘 |
| その結果、指摘事項は、次の3項目となり、かつ、抵触するISO9001の条項も書いてきた。 |
| (1)4.2.3に「品質システムの他の要求事項と適合し」とあるが、貴社の製品の特性上必要と思われる「関連する品質・安全の規格・法令」があげられていない。 |
| (2)4.5.2c)の廃止文書を保管するときに、適切に識別されていることという要求に対し、収納棚での識別なので、旧文書と誤って使用する恐れがあるので、文書自体に識別すべきである。 |
| (3)4.6.2b)下請負契約者の評価で管理方式及び範囲を明確にするとあるが、先日の96項目のコメントでは、決めていないということが書いてあった。 |
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| 5.最終的な3項目へのコメント |
| もう、予備審査の日程が迫ってきたので、管理責任者は、この3項目への会社としてのコメントは、予備審査開始前に文書とともに説明することにした。次のようなコメントが用意された。 |
| (1)ここは、品質システム要求事項であり、製品要求事項でない。規格・法令は企業の製品によって異なる。普遍的な品質システム要求と審査員は混同している。 |
| (2)当社は、個別生産である。旧文書には、物件名と工事番号が明記してあり、完了した工事を再度、繰り返して行うことはない。棚区分で十分である。「適切」かどうかは、現場審査で行うべきである。 |
| (3)マニュアルに明記してある。書類審査は、提出した書類で審査すべきで、伝聞で審査すべきでない。 |
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| 6.最終的な不適合はゼロ |
| 予備審査の日に、このコメントを管理責任者は主任審査員に説明し、審査員は反論できず、結局、不適合はゼロとなった。管理責任者は、一体、この主任審査員は、どういう訓練で主任審査員になったのか、疑問に思った。 |
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