審査機関Bの審査方法の特徴(H13.5月2週号)
1. A社の本審査完了とB社の予備審査完了
審査機関BによるA社の本審査が終わった。3人の審査員が3日かけて行った。マイナー1項目あったが審査終了までに修正されたので、最終のクロージング会議では不適合ゼロで終了した。並行して、B社が同じ審査機関で予備審査が終わり、その結果の文書報告が来た。それによると審査員は異なるが、この審査機関の審査方法は共通している特徴があることが分かった。
2. 審査報告の基本
本来、審査結果の報告については、ISO10011-1「品質システムの監査の指針」の5.3.2.2「監査の観察結果」に次のよう説明がある。
「不適合については、監査の基準となった規格又はその他の関連文書のどの要求に抵触するかを明らかにする。」
この当たり前のルールから審査機関Bの方法を観察すると、どの審査員も抵触する規格を示していなかった。A社の本審査で、きちんと行うのかと思ったらそれもなかった。A社では、管理責任者が本審査のクロージング会議で最後に「貴審査機関では、不適合についての正式な文書様式がないのでしょうか。」と主任審査員に聞いたら、そうであるという回答であった。しかし、それを聞いて審査機関Bの審査手順書を見たら、「不適合事項については、当機関の所定様式の不適合報告書により報告する。」と書いてあった。審査機関内のルールはあるが、実行されていないのか。これでは、他社を審査できないことになる。
A社の管理責任者は、このISO10011-1で書類審査、予備審査、本審査で徹底して対応したので、結果的に全段階不適合ゼロで終わった。しかし、このA社の姿勢は審査機関Bにとっては初めての経験であったのであろう。B社の本審査は5月末である。他にC社も同じ審査機関で5月末に本審査がある。審査機関Bの対応は、A社のクレームで変わるのであろうか。
3. 制定と施行の違いの重要性
A社は、昨年9月頃この審査機関を訪問して、ついでにマニュアルの素案を見せた。そのとき応対に出た審査員がマニュアルに12月1日施行とあるのを見て、「立派なマニュアルなので9月1日制定とすべきだ。」と言ったという。同じ指摘が書類審査のとき担当主任審査員からあった。これに対しA社は、「マニュアルは、そこに書いてあることが実行されているという宣言書でもある。制定とは姿勢が異なる。」として修正に応じなかった。
法律で言えば「制定」と「発効」は異なる。例えば、少年法改正になって、適用が17歳から14歳になるように制定されても、発効が4月1日なら、3月31日まで、14歳の少年は適用されないのである。その厳しさが「制定」には無い。その厳しさの欠如は、いいかげんなshallにない不適合を指摘する審査につながる。この審査機関が「施行」を「制定」にすべきであるとしたことに、この審査機関の姿勢のすべてが象徴的に表れているようだ。