規定要求事項から要求事項へ (H13.5月3週号)
1. 規定要求事項の解釈の混乱
 規定要求事項の問題は、ISO9001:1994では、品質システムの要求事項を含むかどうかという基本的な問題があった。しかし、規格の本文では品質システムの要求事項は「この規格の要求事項(this International Standard)」と区別しており、規定要求事項のほうは、個別の製品要求事項と解釈するの妥当であった。しかし、一部の解説書では、品質システムの要求も規定要求事項であるという混乱した説明があった。これを明確にしたのが、ISO9000-2:1997の指針にある用語定義である。ここには、規定要求事項の用語定義があり、これによると受注生産の場合と見込み生産の場合と分けて、いずれも顧客や市場の製品要求事項を意味するという定義であった。
 しかし、ISO9000-2:1997の指針の定義を、「4.6.1 購買」での「購買品が規定要求事項に適合するために・・・」の「規定要求事項」に当てはめると意味が定義と合わなくなる。例えば、顧客は自動車が欲しいのであって、メーカーが購買する自動車部品は顧客の要求でなく、メーカーの設計によって決まった要求であるからだ。2000年版では、修正され、規定された「購買要求事項」となっている。
2. いろいろな要求事項
 2000年版では、規定要求事項がなくなった代わりに、具体的な修飾語がつくようになった。「この規格の要求事項(this International Standard)」は、そのまま使われているので、要求事項は製品要求事項であることは、明らかなようであるが、「4.1 一般要求事項」は、品質マネジメントの要求事項を意味する。5.1、5.2では顧客要求事項、5.4.1では製品要求事項とあるのは、製品の要求事項であるが、5.4.2a)の「4.1に規定する要求事項」は品質マネジメントの要求事項である。このように、顧客要求事項が、あるときは製品要求事項になったりしており、かならずしも統一されていない。94年版は規定要求事項が中心であったが、それでも品質要求事項とか、注文要求事項とかという用語が登場した。整理の必要がある。
3. 要求事項の構造
 ISO9000:2000の「3.1.2」には、要求事項の定義はあるが、抽象的で実務的なISO9001:2000規格の解釈では、実務的な説明がほしいところである。実務的には下記のような構造が考えられる。顧客満足には価格もある。どの枠に入るか確認することによって要求事項の解釈が明確になろう。