| (1)新規な理論は無い |
| 数年前、一時、日本でも騒がれたTOC(Theory of Constraints)の理論を分かりやすくするために小説にしたものである。アメリカでは200万部以上売れ、この本を翻訳すると、日本企業が真似をし、また、世界市場を独占するから、16年ほど訳を延ばしたのだと言う。しかし、それは著者の思い違いである。 |
| これは生産管理の本であるが、ネック工程など、当然のことである。どうして、これが新しい手法なのか、疑問である。日本では「手番システム」というのが伝統的にあり、それと山積み法で簡単にネック工程の管理はされていた。 |
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| (2)MEの不勉強 |
| また、社内が空いているときに、固定費は考慮しなくよいという「埋没原価(sunkcost)」の考えなど、20年以上前に、ME(Managerial Economics)という体系がアメリカで生まれ、管理者の常識的なことになっていた。それがあたかも新しい考えや手法として登場するのはおかしい。インターネットが盛んな国で重要な情報が維持されないのはどういうことなのか。 |
| 2年程前、日本のある大学の若い原価専門の教授に「機会原価(opportunity cost)と機械損失(chance loss)の違い」を質問したら、「同じと思います。」という返事であった。「機械損失にはゼロがあっても、機会原価にはゼロが無いでしょう。」とさらに聞いたら「勉強します。」で終わった。これもMEでは、常識語である。日本でもこういう状況である。 |
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| (3)トヨタ方式の焼き直し |
| 在庫ゼロの考えやスループットの考えは40年ほど前からのトヨタ生産方式のマネである。 |
| 「ゴール」とは、企業活動の目標である。それは「儲ける」ことだとこの本では新しい発見のように書いている。しかし、40年位前にあったトヨタの生産管理の社内テキストでは、その第1行は「徹底的に儲かる企業にする。(儲かることは徹底てきにやるが、無駄なことは一切やらない)」である。そこで、すでに明確になっている。 |
| この本の最大の弱点は、改善前のシステムの説明が無いことである。最初、この工場では、納期遅れが多かったというが、そのとき、コンピュータでどういう日程計画をしていたかが分からない。一応、計画があるから工場は動いているのである。納期遅れが多くても、納期に間に合っている製品もあったのだから、あるシステムはあったはずである。その話が一切出てこない。だから改善のポイントが分からない。 |
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