顧客満足の顧客とは誰?(H13.7月1週号)
 2000年改訂は、顧客満足の強調が特徴である。したがって、顧客は誰かが重要であるがそれが簡単でないことが多い。
 サービス業では、社員は直接顧客と接触するので、顧客の満足度を知るチャンスが多い。しかし、他の産業では顧客があいまいなことが多い。官庁や公共団体が建設会社に注文を出すとき、担当者が業者評価をして、彼らを満足させる業者を選択する。そのためには、建設業者は時には接待することになるのであろうか。しかし、彼らは真の顧客ではない。顧客は、その建設物を使用する市民であり、納税者である。
 6月15日の「日刊建設産業新聞」によると、日本建設産業職員労働組合協議会で外勤者を対象にしたアンケート調査では、ISO9000sの運用が形骸化し、組合員の書類作成業務などの負担につながっているケースが多く、労働時間の短縮を阻害していることが明らかになったと報じている。これは、労働者だけではない。これらのコスト増は、結局市民や納税者の負担になる恐れがある。
 ある自動車部品メーカーがあった。納品している自動車メーカーから2つの矛盾した要求が来た。1つは品質保証部からで、無駄な過剰な文書作成の要求であった。もう1つは購買部からで、無駄を減らし、納入価格を下げる要求であった。ひどいときには、自動車メーカーの担当者で要求ががらりと変わる。どちらが満足させるべき顧客要求なのであろうか。この場合、最終的な顧客はその車に乗る人である。自動車メーカーの部門担当者ではない。
 このようにある産業では、真の顧客に至る間にいくつかの組織が介在して、真の顧客を分からなくしてしまう。要求も歪められる。ISO9001:2000の「顧客要求の満足」というときの顧客の定義が難しい。