D社、B審査機関の本審査受ける (H13.8月5週号)
1. B審査機関の審査の特徴
先週、従業員50人くらいの規模のD社はB審査機関の本審査を受けた。これで私が情報を得たB機関の審査員は7名となった。共通しているのは、コンサルと審査の節度のない混同であった。
審査を受けたのは94年版のISO9002であるが、例えば、是正処置及び予防処置の効果の確認方法で議論になった。
ISO9002では「それが効果的であることを確実にするための管理の適用」が要求されている。ここで、効果的という意味の英語のit is effectiveは、「実施されている」という意味と「効果がある」という意味と2つ考えられる。「効果がある」なら、it has been effective だという議論もある。
2000年版では、これが明確になり、「必要な処置の決定と実施(implementing)」と「とった処置のレビュー」と分離されている。
ところで、D社で問題になったのは、そんな「高度の議論」ではなかった。D社では、it is effectiveを「実施されている」と「効果がある」の2つに対応したシステムとなっている。前者は「対策書」に実施確認記録を残した。後者は、管理責任者が、「品質管理月報」作成に当たり、是正処置及び予防処置が完了し、その月度に3ヶ月を経過したものをチェックし、不適合が発生しないことを確認し、その結果を「品質管理月報」で社長に報告することで対応した。これは、D社でトラブルが発生するのは、年にせいぜい数件程度あるし、繰返し量産タイプなので、過去の対策書の簡単なチェックで再発は分かるからである。
このように、問題ないシステムである。ところがB審査機関の審査員は、「対策書」に「効果確認欄」を追加すべきだと言い出したという。No choice発想である。このような帳票様式まで、ISO9002では要求していない。明らかにコンサルティングになっている。しかし、これを本審査でも平気で行うのがB審査機関の特徴である。
2. 効果確認の煩雑なやり方
実は、このB審査機関の審査員が指摘した「対策書」に「効果確認欄」を入れるのはよく見かける帳票様式であるが、同時に問題の多いので有名な方法でもある。例えば、ある企業から、この欄を設置したトラブルでメールで次のような相談があった。
「当社は、対策書に是正処置の確認とともに、効果の確認の欄があります。しかし、当社は多品種少量生産で、繰返し性があまりありません。このため、効果確認欄の記入が出来ないものが多く、過去の未処理の書類が累積して意味の無い管理となっています。」
解決は、D社のように、この欄を削除して、「効果確認」を独立して行う他のchoiceの方法にすべきである。処理が大変だということは「効率的」なシステムでないことである。効率的でないと、継続性が無く「有効性」をも失う。品質マネジメントの有効性を継続的に行うには、効率性の配慮が必要だということは、効率性をISO9004:2000に譲ったISO9001:2000にとっては皮肉なことであるが。