W主任審査員の審査状況 (H13.9月1週号)
1. 問題の前兆
先週、審査機関LのW主任審査員が、15名程度の小企業であるA社の予備審査をした。
予備審査の前にその予定がW審査員からFAXできたが、驚いたことに大学ノートに手書きの読みにくい字で書いたものであった。しかも、その予備審査予定には、「内部品質監査の学習」とか「審査に無事合格するように努力しましょう。」ということが書いてあった。これは、明らかに、審査とコンサルティングを混同している審査員であった。
2. 予備審査での指摘例
(1)組織名は機能名と一致すべきである
A社は15名くらいの会社で、受注生産であり、兼任が多い。W審査員は、「貴社の組織名は分かりにくい。」と指摘した。
(2)「適用外」は「該当無し」と書くべきである
A社は購買先での検証が無いので、ISO9001のその要求は「適用外」とマニュアルに書いてあった。W審査員はそれに対して「該当無し」と書くべきであると指摘した。英語ではnot applicable だから、「適用外」のほうが国際的である。典型的なテニオハ型で、かつ間違っている。2000年版は「除外exclusion」である。
(3)設計審査の回数が少ない
A社の設計審査は製品の特性上、試作段階の1回である。ところがW審査員は、設計審査は出図前にすべきであると指摘した。しかし、ISO9001本文では「適切な段階」とだけしかない。出図段階は設計審査するほどの内容がない。出図のとき設計検証(検図)で十分。
(4)設計計画書に日程は不要である
A社はISO9001の設計の計画要求に対応して、「設計業務日程計画表」を使用している。W審査員はこれに日程が計画されているのは不要と指摘した。しかし、ISO9001本文では「進行に応じて適宜更新すること」とあり、日程の計画は不可欠である。W審査員の指摘は矛盾する。日程の無い業務計画など、非常識である。
(5)注文書は記録であるから保管期間を定めるべきである
典型的な"文書"と"記録"の混同である。納品書は記録であるが注文書は改訂できるので文書である。納品書は納品したという事実は改訂できない。その違いが分からない。
よく、審査員の指摘に防衛的にならず、良い点は取り入れるべきだという人がいるが、実態は、上記のように、そんなレベルでないことが多いようだ。