| A社は、昨年末に、ISO9001を取得した中小企業である。社長が講演会を開き、取得の経験談をした。講演会の後、準備中のある中小企業の管理責任者が、個人的に社長のところに行き「shallの話が出ませんでしたが、どう対応しましたか。」と聞いた。ところがその社長は、きょとんとして、「shallってなんだ。」と聞き返したという。 |
| この一言で、この企業が審査員の言うままに、非効率なシステムで認証したことは明らかである。 |
| B社も中小企業であるが、社長がISO9000取得の発表で、得々として、年間2千万円の効果になると話した。その会社では、社長は審査員を「先生」とあがめ、意味のない指摘にも従い、後で、一番ISO9000の審査のやり方が理解できないのは社長であると内部では言われていた。ISO9000の維持のために1人増員されていた。その審査員は「品質管理がすぐれているかは、その企業の品質保証課の人が多いことで分かる。」と言ったという。品質保証課の人数が多いほど、品質を作りこむ人々は、品質は品質保証課の仕事と思い、品質は低下する。2千万円の効果は嘘である。 |
| C社も中小企業である。社長夫婦が1代で築いた会社である。最近、社長からサーベイランスも無事終わったと電話がきた。この会社は、昨年、ISO9000取得を目指した。品質マニュアルが完成したので、全員に配付することになり「参考」印をマニュアルの手順通り捺印するために、ハンコを手配した。たまたま、ハンコが完成した日に、私は訪問した。ハンコを見てビックリした。ハンコは「参考印」と「印」まで入っていた。 |
| この会社は、トレーサビリティのため、製品に銘板を貼っていた。しかし、工務課長は、トレーサビリティというとポカンとしていた。英語になれないのである。銘板というとピントきた。しかし、この会社の製品品質は良く、業界でもトップであった。審査のとき、審査員は、早口でISO9000の項目番号を言うので、会社側はよく理解できなかった。審査員は「工場の入り口はどこですか。」と聞いた。審査員は「工場管理の第一ステップはどこから始まるのか。」ということを聞きたかったらしい。しかし、質問を日本語通り"正確"に理解した工務課長は「あそこのシャッターのところです。」と答えたという。審査員は、「私の言う意味が分からないのですか。」と言ったという。どちらが正しい日本語を使っているのか分からなかった。 |
| 社長は審査機関にクレームを出し、サーベイランスには審査員を変えるように要請し、別な審査員が来たのである。 |