| A社は昨年11月頃、予備審査では、まだ、システムがスタートしてからあまりたっていないので、データが少ないとしてマネジメントレビューはしていなかった。それが審査で指摘された。本審査が12月なので、それまでには行うことになった。A社は94年版での審査である。 |
| そこで予備審査のとき、どのようにしたらいいかと審査員に助言を求めた。審査員は「毎月、品質会議をしているのだから、そこでいろいろ品質マネジメントシステムについて議論をしたことを議事録にして、経営責任者である社長がサインすれば、それでいいのですよ。」と言ったという。審査員がこういうのだから多くの企業はそうしているのであろう。 |
| 私は、それを聞いてイギリスのセドン氏の「こんなISO9000はいらない」という本に書いてあったLAN社の事例を思い出した。そこには次のようにLAN社のオーナーの言として書いてある。「マネジメントレビューは茶番であった。何をわれわれがしてきたかを討議の後、『皆、今まで討議してきたことは知っているね。では、それを紙に書き、サインをしよう。』ということだけだった。」 |
| A社で審査員が助言したことはまさにLAN社の通りである。その後、A社に行ったので私はこの例をあげ、そんな議事録のサインでは、マネジメントレビューにならないと指摘し、2000年版では、もっと内容が明確になっていると説明した。そして、最近、何か機械設備を新しく買うことを計画していないかを社長に聞いた。そうしたら、社長は今のレベラーの機械では、バラツクので、自動化された機械に置き換える予定であると言う。私がそれをマネジメントレビューの中心におくべきであると言った。また、契約内容の確認の記録は、IT化するということであった。本審査では、そのマネジメントレビューでOKとなった。 |
| どの会社でも、マネジメントレビューはしているのである。英語になっているので何か特別なことをするのかと思ってしまう。審査員のほうも助言を求めると、紙の記録のほうにいってしまう。品質のほうに行かない。2000年版はその問題がでないようにかなり具体的な要求になっている。2000年改訂では、マネジメントレビューのアウトプットが明記された。すなわち、品質マネジメントシステムの有効性の改善、企業の顧客要求から満足までの製品実現プロセスの改善、製品の改善、資源の改善が明記されている。 |
| 先にあげたマネジメントレビューの例である自動レベラーの導入は作業の機械化、製品実現プロセスの改善であり、製品の改善(ばらつきの減少)、資源(加工設備)の改善でもある。契約内容のIT化は、品質マネジメントシステムの有効性の改善である。 2000年版になっても、94年版でしっかりやっている会社は別に内容的に変更はない。 |