再び、『様式』の解釈について (H14年3月3週号)
 94年版では、ISO/TC176発行の「中小企業のためのISO9000:TC176よりの助言」は最高の参考書として推薦してきた。2000年版では、これと肩を並べるものはまだ出ていない。しかし、94年版と2000年版の基本的な違いは、PDCAに規格の構成を変えた点にあり、実務レベルは基本的に変わらない。したがって、依然として最高の参考書である。
『様式』の解釈問題は、先々週の新着ニュースでとりあげたが、念のため、ISO/TC176発行の「中小企業のためのISO9000:TC176よりの助言」の設計アウトプットの英文の解説を見たら、次のようにformを使って明快な解説が載っていた。もとの英語のformを『様式』として訳してみると、次のようになる。
「設計アウトプットは、いろいろな『様式』をとる。例えば、
・技術的な設計の場合、一般に図面や計算書の『様式』(take the form of)
・ファッションのデザインでは、スケッチと使用する材料の仕様書の『様式』(in the form of )
・グラフィックス・アートのデザインでは、印刷した書類中のレイアウトの『様式』(in the form of )
・食品の設計では、レシピの『様式』( in the form of )
・広告代理店における設計では、マーケティングキャンペーンの計画書の『様式』( in the form of)」・
これらは、『様式』でなく、『表現方法』とか『表現形式』のほうが誤解しないであろう。
また、94年版は「設計インプットインプットの要求事項に対して......」と訳しているのに対し、2000年版では「設計・開発へのインプットインプットと対比した......」と『対比』という新しい訳語が登場する。英語は、両方ともagainstで同じであるのに....]。
この『比』がついたために、2000年版で大騒ぎするテニオハ審査員の登場となる。
すなわち、この『対比』と『様式』がからむと、設計のアウトプットは図面などでなく、帳票の左に設計インプット、右にアウトプットが『対比』されるという幻想的な帳票がイメージされる結果となる。実務的に無意味な、想像上の帳票要求が生まれる。もし、このようなアウトプットを要求していると解釈すれば、技術的な設計のアウトプットである図面に、インプットの項目を記入するという膨大な修正となる。大混乱である。
これは正しくは意訳すると「設計検証は設計アウトプットが設計インプットを満足しているかをチェックすることである。したがって、その検証ができるように、設計アウトプットは決まった表現形式をとることが必要である。」となる。
これを技術的な設計の企業に置き換えると「設計アウトプットは、インプット要求を満足しているかの検証ができるように、図面(三角図法)と仕様書(計算書)で示すこと。」となる。『対比』の翻訳語にこだわるテニオハ審査は無意味であり、審査員のレベルを示すだけである。