セル方式とデミングの怪!(H14.4月2週号)

日本人は、何か誇りある自己を忘れ出したようだ。

1.今頃、日本で何故、セル方式が問題になるのか?
    昨年、12月末の「朝までテレビ」を録画して後から見たら、ある国会議員が日本経済の行き詰まりを打開するために、ヨーロッパで成果を出している「セル方式」を導入すべきであると言っていた。

最近のあるテレビ討論で、ある経営コンサルタントが中国に負けないためには、「セル方式」の導入が効果的であるということを言っていた。田原総一郎が出席者の中にいて、その「セル方式」が中国に行ったらどうなるのかとコンサルタントに聞いたら、コンサルタントは返事に詰まった。

「セル方式」は、トヨタ生産方式の中核である。日本の独創システムである。忘れたのであろうか。トヨタが1960年代から70年代にかけて開発し、1980年代に日本車の世界制覇とともに、全世界に拡大した。日本の国内でも当然、カンバン方式とともにいろいろな業種に展開された。私は、1980年代頃、韓国の自動車部品メーカーの改善指導に韓国に行ったが、そこは38度線に近い田舎の工場であった。しかし、すでに「セル方式」であった。

一昨年、イギリスの中小企業のISO9000視察にイギリスに行ったが、イギリスの田舎にある工場団地の小さな工場がほとんど「セル方式」であった。彼らは1980年代から90年にかけて日本に行ったり、アメリカで先に導入したセル方式に学んだりして、導入していた。

2.デミングの消滅
    ISO9001:2000はPDCAモデルを使っているが、これは日本では1960年代、デミングサイクルとしてほとんどの製造業では常識になっていたものだ。ところがISO9001:2000のPDCAの解説にはほとんどデミングの名前は登場しない。日本人は誇っていいのに....。

MITのレスター教授の「競争力」を読んだら、「品質に関する物語」の個所でデミング賞の問題点が書いてあった。しかし、デミングの名前がない。レスター教授はデミングを嫌っているのかと思って、原書を見たらデミングとジュランの名前が載っている。日本訳は、その数行がカットされていた。