アウトソーシングと購買の関係・その1(H14年5月1週号)

ISO9001:2000の「4.1 一般要求事項」の最後に「アウトソースしたプロセスに関して管理を確実にすること。」とあり、さらに「アウトソースしたプロセスの管理について、組織のマネジメントシステムの中で明確にすること。」とある。

S社は、顧客から部品を支給され、これらの組付けをしている十数人の小企業である。しかも単純な組付けなので、コスト面でほとんどが内職で組付けをしている。すなわち、アウトソースである。S社では、顧客から組付け治具、納入箱(通い箱)、計測器もすべて支給で、運送サービスも自社である。したがって、購買しているものは、この内職組付け品だけである。

内職者は最初テスト的に使い、問題なければ、正式に登録していた。作業標準書も支給した。また、受入検査で重要不良が出て、これがあまり多いと取引きを中止したり、追加指導をしたりしていた。すなわち、これらはISO9001:2000の「7.4 購買」の要求にそったものである。そこで「アウトソースしたプロセスである内職の管理は、品質マネジメントシステムの『7.4 購買』の項目で明かにする。」とマニュアルに明記した。

ところが予備審査で、審査員が「アウトソースと購買品」の区別が明らかでないと指摘したという。どうも審査員は、「7.4 購買」の購買は、アウトソースとは別で「購買製品」とあるので、材料などのハードウエアの購買に限定されているという先入観があったようである。

英語はpurchased product であり、このproduct はISO9000:2000の「3.4.2」に用語定義があり、「プロセスの結果。」とある。参考にはハード、ソフト、サービスを含む広範囲の意味を持つことを具体例で示している。これは、ISO9001:2000の時からではなく、最初の1987年版時代からISO8402には同じ定義があり、さらにISO9001:1994では、本文の定義にまで登場している。定義に変更はない。

従来、87年版から訳は「購買品」であったが、この「製品」という要注意用語を強調したいためか、ISO9001:2000では「購買製品」となった。英語は初版から同じである。これは「不適合品」が「不適合製品」と訳語が変わったのと同様である。 したがって、内職にアウトソースした「組付けプロセスの結果」できた内職組付け品は立派な「購入製品」であり、「7.4 購買」の対象となる。

ISO9000以前から日本では、生産管理では「材料購買」「工数購買」という言い方があった。内職は「工数購買」である。アウトソースに出すものはこの「工数購買」に当たるものが多い。しかし、購買には変わりない。テニオハ審査員がテニオハに溺れた例である。2000年版は、まだ、こういうテニオハ論争が企業を迷わすであろう。