審査機関の認定範囲の問題点 (H14年6月1週号)

最近、審査機関の認定範囲(業種の制約)の問題が厳しいようである。JABの認定範囲は39分類であるが、登録されていない業種については、本来審査機関は審査できない。また審査員も業種別登録である。4つまで選択できる。審査員は登録された業種以外の会社を審査するときは専門家の参加を必要とする。しかしこの専門が問題である。 本来、ISO9001:2000はマネジメントシステムの規格で、業種普遍の特質があるから、製品の分類にあまり神経質になると、かえって意味のない審査となりやすい。

A社は、児童遊園地の設計、土木・設置工事を行っている15人くらいの会社である。鉄棒、ジャングルジム、滑り台は自社で作る。ところが、本審査で主任審査員とは別に専門家が来るという。その目的はこれらの装置は機械加工なので、機械加工専門家が来るのだという。A社の社長は業界の理事であり、規格統一の専門家である。社長は「おれが一番専門である。」と言っていた。実際に来た専門家は、機械加工の専門家と言っても、鉄棒とかジャングルジムのような粗い加工のものでなく、精密加工の専門家であったので、あまり意味をなさなかった。

B社は食品の大手である。即席ラーメンのような加工食品を作っている。食品と言っても小麦粉が原料であり、後は自動工程で包装まで行ってしまう。実に清潔である。機械工場より清潔であり無人工程が多い。ところがここでも最初、専門家ということで、食品衛生の専門家が参加した。しかしその専門家は、商店街の料理屋の衛生検査を専門にするような人であって、加工食品のような自動化され、機械化された工場は初めて見たようである。私はこういう工程は、むしろ装置型だから、製鉄工場とか製油工場の専門家のほうが適しているように思った。

C社は、30人くらいの会社であるが、組立以外に測定サービスをしていた。またその測定器の自動測定ソフトを作って売っていた。したがって、このソフトだけ設計として扱った。ソフトと言っても機械工場のNCソフトのような簡単なものである。ゲームソフトを作っているわけではない。ところが本審査に合格してから、急に審査機関から連絡があり、そのソフト設計だけ追加審査させてくれと言う。理由は審査員にソフト審査の資格がないからという。社長は予備審査、書類審査、本審査と3段階とも同じ審査員が審査しており、今頃なんで問題になるのかとクレームを出した。審査員は、工場の経験者であり、当然NCプログラムもよく知っており、理解していたと社長は言った。 結局審査機関は社長のクレームを受け、追加審査なしで終わった。