設計の間違った解釈
精美堂の管理責任者はホームページで次のように言っている。
「設計の問題で御社の設計は設計ではないですね。と再三いわれました。既知の事実をいくら積み上げても設計にはならない。」
T審査員は設計について、独特の(というより、間違った)解釈をするので有名。
(1)造園業
私の友人のコンサルタントが造園業者の指導をしたとき、T審査員が来て、造園設計は対象となるが、施工設計は既知の工事の組み合わせになるから、対象にならないと言ったと言う。どうやら工程設計のことを言っているらしい。
それを言うなら「工程設計はISO9001:2000では、設計管理の対象にならない。」と言うべきで、既知の工事の組み合わせ」が間違いなのである。
(2)足場設計
私はそのとき、たまたま建設足場設計の会社の指導をしていたが、ここはゼネコンなどから建設図面をもらい足場を設計し、それにより数種類の標準パイプ数を算出していた。典型的な積み木細工の設計である。
既知の事実(標準パイプ)を積み上げているだけである。私は友人にT審査員の意見によるとこの足場設計は設計でなくなると言った。もちろんこの会社は、足場設計を製品設計としてISO9001を取得している。
(3)自販機のフェースデザイン
数年前、私が自動販売機の缶交換サービスの会社を指導したとき、T審査員が主任審査員で来た。通常こういう業者には設計行為はないと解釈する。しかし私は、自動販売機表面の缶の配置を設計とした。
事実、業界ではフェースデザインと称していた。こうして94年版のISO9001を取得した。T審査員は全く異論を言わなかった。フェースデザインも缶の並べ方を変えるだけで、缶の種類も決まっており、既知の「積み上げ」に過ぎない。しかし、これはT審査員はOKにしている。
(4)ISO9000:2000の定義
ISO9000:2000の「3.4.4」に設計の定義では「要求事項を製品、プロセス又はシステムの、規定された特性又は仕様書に変換する一連のプロセス」とある。すなわち、設計は、製品設計、プロセス設計、システム設計と3つになる。ところが、ISO9001:2000の「7.1 製品実現の計画」の「参考2」に「組織は、製品実現のプロセスの構築に当たって7.3に規定する要求事項を適用してもよい。」とある。すなわち、製品実現のプロセスは工程であるから、工程設計に「7.3」を適用してもよく、それは企業の選択であるとしている。
裏を返すと、「7.3」がshallとして適用されるのは、製品設計とシステム設計に限定され、プロセス設計は、任意要求である。しかし設計一般論で言えば、ISO9000:2000ではプロセス設計も設計であるから、造園の工事設計も設計になる。しかしISO9001:2000の「7.3 設計・開発」の強制適用を受けないというだけである。T審査員のISO9001:2000の理解はますます、危ない。