ISO9000の間違った解説
(1)日本の品質管理は内向き?
ISO9000の解説の中でよく見かけるのは、従来の日本の品質管理は内向きであるが、ISO9000は外向きで購買者の契約用だという説明があった。それはおかしな解釈であって、1970年代から、次第に日本製品が世界市場を品質で席巻し出したのは、世界の顧客がその品質に満足したからである。内向きで出来ることではない。
JISマーク制度などは、本来顧客保護のための制度である。顧客が製品の専門的な知識が少なくても、JISマークがついていれば顧客は安心して購入できるという制度である。内向きではない。
(2)ISO9000は品質向上に無関係?
ISO9000導入で品質向上になると期待するから、間違いなのであるという説明がある。では何故、ISO9001:2000は、PDCAの改善モデルを使って、改善という新しい項目を設けたのか。デミングは亡くなる直前にISO9000の拡大を知るが「『適合の品質』は結果的に品質向上にならず、顧客の満足にならない。」と指摘している。また彼は「品質向上は、コスト削減にもなる。」としている。
またISO9000は、薬にもならないが毒にもならないという、訳のわからないことを言う人もいるが、効率を無視するとモラル低下を起こすという毒がある。これは強烈な毒で、これが会社をつぶすことは、原子力でも食品でも事実が証明している。
要するにコストを無視し、効率に関係ない「適合の品質」は、品質向上にならないばかりか、会社をつぶすことになりかねない。そのモラル低下は企業だけでなく、審査の世界にも拡大している。テニオハ審査員の検事と弁護士の兼任などの人格破壊や、利益追求型の審査機関のモラル低下による不正や営業停止という面で拡大している。
コストを含み、効率を考えた「品質の向上」(審査の品質も含め)がモラル低下を防止できる方法である。その方向はISO9001:2000でもまだ不十分であるが、それは日本が戦後、世界競争型の企業群で築いてきた道だったはずである。