監視及び測定用のコンピュータソフトウエアの管理(H14年9月2週号)

「質問」
   「7.6 監視および測定装置の管理」の要求事項の中に、「規定要求事項にかかわる監視及び測定にコンピュータソフトウェアを使う場合には、そのコンピュータソフトウェアによって意図した監視及び測定ができることを確認すること。この確認は、最初に使用するのに先立って実施すること。また、必要に応じて再確認すること。」とあります。
先日、2000年版への移行審査を受けた際、コンピュータソフトウェアで測定値の合否判定、例えばOK/NGを表示させる場合は、コンピュータソフトウェアの使用前点検が必要であるが、合否判定をさせない、つまり測定値を表示させるだけ(但し内部演算はあり)の場合は、使用前点検は必要ないとの説明を受けました。本当に必要ないのでしょうか。
それから、計測機器とパソコン間の通信については、使用前に点検をする必要はないのでしょうか。

「コメント」
実際の測定値の信頼性が問題なのだから、計測器の精度管理とともに、その数値を表示するソフトウエアの信頼性が問題になると思います。
常識的に考えて、計測器が正確に測定していても、ソフトウエアが問題で、表示数値が狂っておれば、判定者がそれを見て間違った判定をする可能性があります。
したがって、ソフトウエアが作成されたとき、当然、なんらかのテストで確認をする必要があります。これを規格では「『最初に』使用する前に」と要求しています。
ソフトウエアですから、ハードと異なり、一度、テストで確認すれば、経年変化やドリフトがないと考えられます。規格では「『必要に応じて』再確認」を要求しますが、必要ないケースが多いでしょう(「中小企業のためのISO9000:何をなすべきか:ISO/TC176からの助言」参照)。
この場合、審査員はISO9001:2000要求の「最初に」という言葉を「始業前点検」と考えているようです。ハードならとにかく、ソフトウエアに「始業前点検」は必要ないでしょう。ソフト完成後のテスト時点が「最初に(initial)」を意味します。
計測機器とパソコン間の通信でもソフトウエアがからむと同様です。結線状態とか、ハード的な始業点検は、測定作業の準備作業と考えるべきでしょう。