QS9000(ISO/TS16949)
QS9000(ISO/TS16949)は、ISO9001:2000をベースとして、これにアメリカの自動車メーカーへの自動車部品供給者に対する規格として、不足する要求項目を追加している。
すなわち、ISO9001:2000の136のshallに対してそれに匹敵するshallが追加されている。これは、逆に、ISO9001:2000を理解するときに有効である。ISO9001:2000の要求のあいまいな点、そこまでは要求していない点が明確に分かるからである。
(1)識別
例えば、「7.5.3 識別及びトレーサビリティ」でISO9001:2000は「必要な場合には、組織は、製品実現の全過程において適切な手段で製品を識別すること。」とあるが、QS9000では、「7.5.3『必要な場合には』は適用されない。」とある。全部識別が必要なのである。逆に「必要な場合」の意味も理解できる。
(2)設計のアウトプット
「7.3.3 設計・開発のアウトプット」では工程設計アウトプットが明確に登場する。QS9000(ISO/TS16949)は「7.3 設計・開発」には工程設計が含まれるという立場である。装置工業であろうと、機械工業であろうと、顧客満足のためには、すべての業種の設計・開発に工程設計は不可欠として明快である。
ここでISO9001:2000の「設計・開発へのインプットと対比した検証ができるような様式」という表現に対し、新しいQS9000は、94年版の「設計インプットの要求事項に対して検証及び妥当性確認ができるような用語で表現すること。」という表現を頑固に守っている。日本では、テニオハ審査員が、和訳が「対して」から「対比」になり、「用語表現」が「様式」となったので、変更になったと言ってあわてて間違った解釈をしているのは、これを見てもナンセンスである。何も変更がないのである。
(3)特殊工程
QS9000(ISO/TS16949)の「7.5.2.1」では、特殊工程の要求は、すべての製造及びサービス提供のプロセスに適用すべきとしている。