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効果的なISO9001システムの構築には、shallの理解が不可欠である。
1.「中小企業のためのISO9001:ISO/TC176よりの助言」2000年版での説明
この本の94年版が名著として世界的な評価を得たので、2000年対応の出版が期待されていた。最近、届いたISO本部の機関誌では、この期待にこたえてこの6月に2000年対応版が刊行された経緯を細かく報じている。この2000年版では、94年版同様、規格の読み方として、最初にshall、should、may、appropriate、adequateの重要用語の使い分けを明記している。その意味でこの本は中小企業だけでなく、大企業でも規格理解に役立つガイドであるが、下記のように専門家が案外読んでいないケースが多い。
ついでながら、QS9000(現在は、ISO/TS16949)は1994年の初版から本文の序文で、堂々とshall、should、NOTEなどを重要用語としてその意味を解説している。
(1)S審査機関
この部長は、あるサービス業の会社でこの本(94年版対応)を参考にしていたら、「この本は製造業向けであり、サービス業向けでない。」と言ったという。しかし、この本は中小企業向けなのでサービス業の例が多いので有名である。読んでいないのにメンツ上、そう言えないので無理したため、かえって、馬脚をあらわした。
(2)P審査機関
審査部長は、この本に「マネジメントレビューは年1回でよいでしょう。」と書いてあるのに対して、「これは翻訳した規格協会の翻訳ミスか、誤植である。」として、企業側の反論を退け、数多くの回数のマネジメントレビューを企業に要求した。
この機関のM審査員は、審査のとき、企業からこの本を見せられ、その表紙に「TC176よりの助言」とあるのを見て「TC176とはどういう意味か。」と企業側に聞いたという。
2.Shall だけでなくWillもある
M審査機関のT主任審査員は、アメリカで経営もしたことがあり、英語がぺらぺらであることを自慢していた。ある会社では、「今日の審査は英語でやりますか。日本語でやりますか。」と言ったという。
A社での審査がはじまって、A社の管理責任者が、T審査員がおかしな要求をするので 「それはISO9001:2000のどのshallにありますか。」と聞き返した。
T審査員は「shallだけでない。Willもある。」と返事をしたので、審査後に大笑いとなった。 T審査員はISO9001:2000でのshallの用法を理解していなかったのである。
彼が、それを未来形として読んでいたのであれば、全然、意味のわからないことになる。 shallと対照的な「NOTE:参考」にあるshouldの意味も当然、理解していないことになる。
主任審査員なのに、正常な審査ができないことになる。事実、めちゃくちゃな審査となり、クレームの結果、 審査部長が謝罪するという結果となった。
この詳細は、このホームページの「審査/コンサル経験談」のH14年4月1週号にある。
3.ある中小企業の取得体験講演会
B社の管理責任者は、ISO9001の取得準備中に、ある集まりでISO9001を取得した中小企業の体験講演会があるというので、出席した。その会社の社長が体験談をした。しかし、shallの話が出ないので、講演後、その社長に「shallはどのように対応しましたか」と個人的に質問した。するとその社長は「shallとは何だ?」と聞き返したという。これで、この会社は無理なシステムでISO9001を取得したであろうことが容易に推測できた。
これからして、shallに無関心な審査員やコンサルタントはISO9001については、もぐりであり、別な規格で動いていることになる。
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