力量のレベル? (H14年12月1週号)

よく作業者の力量のレベルを4段階に分け、これを下図のような円グラフに4つに分け、逐次、右上から時計方向に塗りつぶし、4つ全部、塗りつぶして、黒い丸になると一人前の力量があることを示すという管理の方法がある。

あるセル方式の工程があった。1人で数工程のU字型のセルを受け持つ。この力量管理を上の円グラフで行っていた。段取りは専門の段取り工が行うので作業者の作業は単純であった。だから、作業者のレベルを4段階に分けてあったが、4つに分けるのが無理なようであった。だから、次のように各段階の違いが不明確な内容になっていた。

レベル1――― 図面が読めて、ある程度作業ができる。
レベル2――― 一応、問題なく作業ができる。
レベル3――― 良く、作業ができる。
レベル4――― 人に教えることができる。

「ある程度」「一応」「良く」とは、どういう意味かと聞いたら、明快な回答がなかった。 この4つに分けた円グラフを書くことが目的になっていた。この円グラフを書いて書類をきちんとしていると、いかにも力量管理をきちんとしているかのような錯覚を起こす。書類上のつじつま合わせが「適合の品質」の特徴で、食品の偽装問題、東電の偽報告につながる。
改善の観点からすると、できるだけ、作業の習熟段階は少なくし、新人でもすぐに習熟できるような作業の改善が望ましい。これは、訓練コストの減少にもなる。
作業標準書なども、詳細な内容になっていると、「よく書けている」とほめることがあるが、改善の観点からすれば、複雑な作業は、習熟が遅くなるだけでなく、品質もばらつき、不安定である。そこで作業を簡単にすると改善になる。その後で、作業標準書を書くと、簡単な内容になるし、場合によっては文書も不要になる。訓練も同様で4つのレベルに安住するのでなく、これを不要とする努力が必要で、これにより、訓練管理費も低下するし、品質も安定する。