2つの違った品質保証のパラダイム(paradigm)
(H15年3月1週号)

パラダイムとは、ある専門グループに支配的な考え方であるという。天動説のグループの人と地動説のグループの人が議論すると、パラダイムが異なるので、話はすれ違いとなる。
同様に品質保証で形式だけのISO9001:2000システムを考えるグループ(Aグループ)と経営効率の観点からISO9001:2000システムを考えるグループ(Bグループ)とは、世界が異なるようにパラダイムが異なる。最初からすれ違いである。

1.Aグループの基本的な考え
(1)文書や記録の詳細化が品質向上になる。
(2)検査による確認が品質保証の最高の方法である。
(3)品質を考えるとき、コストは考えなくてよい。
(4)実行のエビデンスは詳しい書類が最上である。
(5)作業手順を作業者に聞いてスラスラ答えられなかったなら、手順書が必要である。

2.Bグループの基本的な考え方
(1)文書や記録の詳細化は、真の品質からめをそらす。モラル低下など弊害が多い。
(2)検査よりも工程の安定化、ばらつきの減少という技術手段の改善が品質保証の最高の方法である。
(3)品質を考えるとき、それを安定的に達成する代替手段を考える。代替手段からよい手段を選択するときは必ずコストを伴う。
(4)いくら記録書類を増加しても、エビデンスにならない。工程の安定化がエビデンスになる。記録書類の無駄な増加は、モラル低下から記録の改ざんを生む。
(5)作業者の作業が簡潔で安定していることが品質上、ポイントであり、作業者が口先だけうまいことを言うこととは無関係である。