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N社は、2000年版の準備を進めている。ところが、先日、業界の展示会で先にISO9001:2000を取得した企業が品質方針を掲示していた。それを見たら、組織への周知として朝礼をするとか、年1回レビューをするとか長い箇条書きの文章が品質方針の掲示板にあったという。
これは、2000年版では、「5.3 品質方針」について、a)からe)までの5つの要求があるからで、これを羅列すると、d)の「組織全体に伝達され、理解される」と、e)の「適切性の持続のためにレビューする」まで品質方針に含めてしまい、この例のように、d)は「朝礼で徹底する。」、e)は「年1回レビューする」ということが品質方針の掲示板に書かれることになる。
しかし、「朝礼で徹底する」とか「年1回レビューする」は、品質方針の運用をいうのであって、品質方針そのものではない。品質方針のタイトルがある掲示に含めるのはおかしい。ただ、訳もわからず、書けばよいということから生まれた掲示である。これだと、周知方法やレビュー方法が変わった場合、品質方針の変更となる。それは矛盾である。ポリシーはそのように安易に変わるものではない。
これは環境のISO14001:1996でも同じで、環境方針の項目にa)からf)まであり、e)は「全社員周知」、f)は、「一般の人が入手可能なこと」である。これらすべてを、環境方針というタイトルで長い箇条書きで1枚の掲示板に書いている例が多い。右ならえの日本型の流行である。
N社は、品質方針は、品質マネジメントシステムの有効性の改善と基本方針と分けている。掲示するのは、基本方針だけである。
そして、b)の後半の「品質マネジメントシステムの有効性の改善」、c)の「品質目標への枠組み設定」、d)の「全社員周知徹底方法」、e)の「レビュー方法」は、この基本方針の運用に関することなので、品質マニュアルのほうで定めている。掲示はしていない。
「5.3 品質方針」の原文をよく読めば、品質に関するポリシーの中身に関することと、その運用に関することの2つに分かれている。ポリシーに関する要求は、a)、b)だけである。c)も何も「5.3 品質方針」の項目に書かなくても、次の「5.4 品質目標」で「品質方針の枠組みにそって品質目標を立てる」と品質方針との関係を述べていれば、同じことである。
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