硬直した品質マニュアル作成例(H15年10月4週号)

最近、あるISO専門誌を見て、ビックリした。ここにマンガISO入門という連載のコラムがあるが、今月号には次のように中小企業には不要な過剰な文書の症状例がずらずら並んでいた。知恵の無い、文書の画一化の原因がここにもある。「バカの壁」である。自分たちのシステムを独創的に考えず、ただ、形式に従うという、無思考のモラル低下を起こし、大きな事故につながる原因にもなる。

1.品質マニュアル表紙の右上に7桁の文書番号がある。
品質マニュルと言えばすぐ索引できるのに、何故、品質マニュアルに7桁の文書番号が必要なのであろうか。システム設計に無駄排除という効率評価基準がないせいか。人まねの無思考で設計したシステムだからか。

2.品質マニュアル表紙に改訂版番号がある。
改訂の都度、表紙が変わる。ムダである。表紙の次の頁に改訂履歴があるから重複のムダである。システム設計に無駄排除という効率の評価基準がないせいか。

3.施行日(発効日)でなく制定日となっている。
マニュアルは「この文書通りにシステムが動いています。」という宣言書である。したがって、何時からISO9001:2000の要求にそって稼動しているからを明記しなくては意味がない。審査もその日以降の記録を審査対象とする。以前の記録は無関係である。その境界を明確にしなくては、品質マニュアルの意味が無い。だから、マニュアルを作った制定日でなく、テストして、全面的に動き出した日(施行日、あるいは発効日)を明記すべきである。
施行日のあいまいさは、マニュアルは、現実に動いている活動の表現であるという意識が全くないことを示す。形式を先に書くという形式主義のあらわれである。

4.マニュアルは、全部通し頁となっている。
ある項目が、改訂になり、頁数が増えると、その後の頁は、内容の変更が無くても全部、変更となる。ムダである。システム設計に無駄排除の効率評価基準がないせいか。

5.制定日以降はどんな些細なことでも改訂記録が必要と説明している。
これもやりすぎである。文書の形式主義からきている。システムや手順に変更が無く、テニオハ的な訂正の記録は不要で、良識ある審査員はそんな記録は意味がないという。作った日(制定日)から、テストしたり、読み合わせしたりして、改訂するのは、システム試作段階の修正である。試作の記録は不要である。改訂を明確にするのは、システムが正式に発足してからである。
だから、制定日と施行日の明確な分離が必要なのである。それにより、システムの試作段階の無意味な改訂記録をゼロにできる。

6.配付台帳管理をしている。また、配付を配布としている。
配付台帳はムダである。言葉使いの問題でなく、配付管理の理解レベルを反映している。

7.4.1の一般要求事項
ほとんど、規格の丸写しである。

8.品質方針は、社長が徹夜で書いた
品質方針は、一夜漬けの徹夜で書くものではない。ISO9001:2000取得と関係なく、経営者としていつも頭にあるべきことを要求しているにすぎない。