| 1.製品実現プロセスとマネジメント活動との基本的な関係
経営レベルのPDCAでは、Doは、マネジメント活動ではない。例えば、プラスチック成形部品メーカーのDoは、顧客の注文を受け、原料を調達し、成形機で成形して、出荷し、顧客満足を得るまでの「製品実現プロセス」である。では、ISO9001:2000の「7. 製品実現」の項目はDoの活動の規格なのだろうか。ISO9001:2000は、個々の業種の製品規格には無関係のマネジメントシステム規格である。だから、あらゆる業種に普遍なのである。その目的は、受注から出荷、顧客満足までのDoを効果的に活動できるように「補完」することである。具体的な「補完」活動はDoが活動している間は、それを「監視及び測定」し、修正、是正することである。それが「7. 製品実現」の項目に明記されているのである。一方、補完すべき現場の製品実現プロセスは、別に個々の企業現場にある。
だから、ISO9001:2000の「7.1」は厳密には、「7.1 製品実現プロセスの管理」である。

すなわち、ISO9001:2000の規格では、「7.製品実現」のステップに来たとき、経営活動の流れが大きく2つに分かれ、並行するのである。1つは、ISO9001:2000の「7.製品実現」で要求するマネジメント活動、もう1つは、各企業の第一線現場の製品実現活動である。このDoの2つの分岐を明快に把握しないと、Doの正確な理解が不可能である。

2.2種類の監視及び測定
スポーツであれば、選手がプレイ(Do)している間は、監督やコーチ陣は、プレイ(Do)しない。試合進行に問題ないか、進行中の「試合のプロセスの監視及び測定」をする。計画通りいかないときは、早期に選手交替などの修正及び是正の手を打つ。試合が終わってからでは手遅れだからである。
この第一線活動の進行中に行う監督やコーチの「監視及び測定」を「監視及び測定A」と呼ぼう。そして、監督やコーチが、第一線活動の進行中に、きちんとマネジメントしているか、ジェネラルマネージャーが行う「監視及び測定」を「監視及び測定B」と呼ぼう。「監視及び測定A」は、ISO9001:2000の7.1から7.5が、製品実現のプロセス順になっていて、これが該当する。このように、7.1から7.5までの「監視及び測定A」は製品実現プロセスの監視及び測定をしているので、8.2.3とダブルことになる。しかし、「監視及び測定B」は、マネジメントシステムが、きちんと動いているかの監査だから、8.2.2の内部監査の問題となる。
3.「7.6 監視機器及び測定機器の管理」の位置付け
分かりにくいのは、「7.6 監視機器及び測定機器の管理」である。これが製品実現に含まれているのは、多くの人は違和感を覚えるのではないか。どちらかというと「6.資源の運用管理」のインフラストラクチャーの一種である。生産設備同様、監視機器及び測定機器の提供とその維持管理(校正など)を「6.資源の運用管理」に含めたほうが分かりやすい。これはダブっている。したがって、この「7.6 監視機器及び測定機器の管理」の「監視及び測定」を内部監査で行うと、「6.資源の運用管理」のマネジメントシステムの内部監査とダブルことになる。
4.プロセス別説明
「7.2.1製品要求事項の明確化」は、営業担当の受注プロセス中に、a)からd)までの4項目について、明確化しているかの営業担当者の「監視及び測定A」であり、言い換えれば「製品要求事項の明確化管理」の要求である。
「7.3 設計・開発」もDoをしている設計担当者が計画し、インプットを明確にし、所定の内容をアウトプットしているか、レビュー、検証、妥当性確認をしているか、変更管理をしているか、という観点からの「監視及び測定A」であり、言い換えれば、「設計・開発管理」の要求である。
「7.4 購買」でも、購買先の評価をきちんと評価して選定しているか、発注は明確にしているかについて、購買活動担当者の「監視及び測定A」であり、言い換えれば「購買管理」の要求である。
「7.5 製造及びサービス提供」もこれらのプロセスの稼動状態、トレーサビリティなどについての「監視及び測定A」要求であり、言い換えれば「製造及びサービスの提供活動の管理」の要求である。
これらのマネジメントシステムが、有効的に活動しているかの監視及び測定が「監視及び測定B」の「8.2.2 内部監査」の1つの役割である。
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