| 1.3つの具体例の比較
下記の図は、3つのISO14001のマネジメントレビュー(4.6項)に登場する文章の経時的な変遷を示す。これはISO9001やISO14001のマネジメントシステム規格における文書と記録の定義が混乱している問題を象徴的に示している。どうして、このような変遷をしたのか、以下に解説をする。

2.ISO9001:2000での文書と記録の混乱
ISO9001:2000では、94年版に比較すると文書と記録の違いについては配慮しているが、4.2.3で「記録は文書の一種であるが、4.2.4に規定する要求事項に従って管理すること」と、依然として歯切れが悪い。これは論理的に下図のような矛盾した体系となっている。

上記のように、文書を男、記録を女と比喩的に言い換えると、「女は、男の一種であるが、トイレやロッカー管理は別にする」と意味の分からない、論理的に矛盾した文章が堂々と登場していることになる。
フェミニストは、人類をmankindとかhumanとして、manしかないのは、女性を人間として認めていないと言って批判している。Person(人)にしろと言っている。
ISO9001:2000では、記録は女性同様、蔑視されて怒っているのかもしれない?
3.ISO / CD 14001(2001年)
ここでは、一時、下図のような案が用語として登場した。これはこの文書と記録の混同に終止符を打つと期待された定義であった。だから、4.6マネジメントレビューでISO14001:1996の「マネジメントレビューの結果は文書化されること」がISO
/ CD 14001では「マネジメントレビューの結果は記録されること」と修正された。

しかし、これは、ISO9001:2000と対立する用語体系なので、TC176とはもめることが予想された。
4. ISO / DIS 14001(2003年)での後退
TC176からの巻き返しがあったのか、ISO / DIS 14001では、ISO9001:2000と同様の混同に後退した。しかも、ISO9001:2000では、24個のshallの記録要求があるが、全部record(記録)という用語を使い、document(文書)を使用していない。本文では明快な使い分けをしている。だから、この24の記録は4.2.3の管理でなく、4.2.4の管理に従うことが明快に理解できる。
しかし、ISO / DIS 14001では、この使い分けすらしておらず、あるものは、「記録でないdocument(文書)」であるし、マネジメントレビューのように、「記録の意味のdocument(文書)」もある。理解しにくい。ISO
/ DIS 14001ではISO9001:2000と整合性をとったというが、現時点では、完全に失敗している。
今年は、FDISから正式発行の予定である。どういう結末を迎えるであろうか。
文書と記録の混乱はISO9000シリーズからの「持病」であり、このホームページの2000年版の項目別コーナー・4.2文書化の「Q.文書と記録の違い」、「2000年改訂・文書の定義未だ混乱か」、「文書と記録の混同の最終到着点は?(H12年9月1週号)」を参照されたい。
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