Y社は先月、事前訪問で審査員が「四半期に一度の品質目標等の社長への進捗報告をマネジメントレビューといっても良いです」と混乱させることを言ったという。内部監査や外部審査の結果報告など、マネジメントレビューインプット要求事項への無視である。
この審査機関の審査部長は、あるISOの専門雑誌で、社長を中心とした会議はミニマネジメントレビューという位置付けで行うべきなどと書いていたので、審査員はそれをそのままY社にあてはめたようだ。ミニマネジメントレビューというのは、キープロセス同様、審査機関の独自用語のようである。またまた、マネジメントレビューで意味のない「画一した」システムを審査上で強制するトラブルの拡大が予想される。
また、最近、ある研修会で用いたテキストにマネジメントレビューは、毎月、すなわち、年12回、会議で行うべきであり、それをしない会社のマネジメントレビューは失格であり、年1、2回のレビューでは意味がないという説明があったという。
マネジメントレビューの回数については、このホームページで何回もふれているが、ISO/TC176の「中小企業のためのISO9000」(94年版向け)で「年1回がよいであろう。」とあり、この名著の2000版向けでも、同じ文章が引き継がれている。
また、イギリスの審査員養成の公的機関であるIQAが95年に出した「小企業の品質システム」でも「一般的には、年1回か2回であろう。」と言っている。
さらにISO9000−2:1997(参加国の75%以上の賛成で決まったもの)でも「年1回のマネジメントレビューが妥当である組織もある。」とある。
年12回が絶対であると言う人は、以上の基本的な権威ある文書を読んでいないことを証明している。専門家として基礎的な学習が足りないことを露呈しており、マネジメントレビューの回数は、皮肉にも専門家としての勉強度合いを示すリトマス試験紙になっている。
なお、名著「中小企業のためのISO9000」の2000版向けでは、次のような解説がある。
1.品質マネジメントシステムが安定したら年1回がよいであろう。
2.個別の問題は、起きたときにすぐ対応すべきであり、マネジメントレビューは、これらの個別の対応から一歩さがって全体的な見地から行うべきである。
3.マネジメントレビューは、重大な傾向について分析し、決定するので、重要でない日常的な問題にかかわり、時間を無駄にすべきではない(2000年版向けで追加)。
4.マネジメントレビューは内部監査と異なる。それは内部監査結果がマネジメントレビューのインプットになっていることからして明らかである。
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