校正の記録方法の代替案
(H16年3月5週号)

ISO9001:2000の7.6では、「校正及び検証の結果の記録を維持すること」とある。実務的な問題は、校正の記録内容はどこまで書けばよいかである。校正のときの原器との器差値まで数字書くのか、単に「合格」でよいのかである。ISO9001:2000では、その書き方は決めつけていない。それは企業が選択する代替案になる。

ISO9001:2000の実務的な代替案を考えるとき、よい参考になるのは、自動車関係のセクター規格であるISO/TS16949である。この規格は、ISO9001:2000の規格がいろいろな代替案を許しているので、自動車業界として不満足であれば、このISO/TS16949では、「この案しかない」と実務面まで明記している。これは裏返せば、ISO9001:2000では、そこまできめつけていないから、いくつかの代替案があり企業の自主選択であることを意味する。

例えば、ISO/TS16949では、工程設計については、「7.3 設計・開発」は除外できないという追加要求があり、選択の余地がない。これは裏返すとISO9001:2000は工程設計に「7.3」を適用するかは、企業の任意であり、代替案の1つであることを意味する

「7.5.2」の特殊工程についても「この要求項目は、すべてのプロセスに適用する」とあり、選択の余地がない。しかし、ISO9001:2000では特殊工程管理をしないプロセスもある。

「7.5.3」の識別もISO9001:2000では「必要な場合には」とあるが、ISO/TS16949では「“必要な場合”は適用しない。」とあり、選択の余地はなく、すべて識別が必要となる。

同様に、校正の記録は、ISO/TS16949では「使用原器番号」、「校正規格外場合の読み値(readings)」の記録要求がある。しかし、合格の場合の「読み値」の記録までは明文化されおらず、「適合の記述(statements)」としかない。下表のD案がISO9001:2000の最も簡単な案である。

校正記録項目の代替案
項目→
校正
年月日
器差読み値
原器番号
合否
校正者名
次回校正日
上司確認印
備考
代替案↓
A
B
C
規格外の場合
TS16949
D
 
ISO9001