このホームページの環境規格コーナーの「環境ISO
/ DIS 14001:2004で文書と記録の混同、ますます拡大? 」(H16年2月1週号)で、ふれた文書と記録の混同は、その後のTC207でどうなったのだろうか。
先週の3月26日に日本規格協会主催で、TC207のパリー会議の報告があった。これでISO14001の改訂は最終版(FDIS)に移行することになる。
この報告会で、先に例としてとりあげたマネジメントレビューの結果が文書化になったり、記録になったり、いったり来たりしている問題は、下記のように、最終的に「文書化」から「記録」にもどり、決着したようである。
2.他の記録についての修正
まだ、FDIS全体を見ていないが、どうやら「記録でないdocument(文書)」はdocumentとなり、マネジメントレビューのように、「記録の意味のdocument(文書)」は、recordというようになりつつある。しかし、後の「4.5.1 監視及び測定」で述べるように不十分である。
また、最初は、記録要求は各項目で述べないで、「4.5.4 記録」でまとめて記述するという編成をとっていた。これは、各項目で記録要求しているISO9001:2000のスタイルと異なる。これもパリー会議の議論で、ISO9001:2000スタイルに変更となったようだ。
3.付属書Aと記録
ISO14001は、ISO9001:2000と大きく異なり、本文なみの付属書Aがある。ここの「A.5.3 記録」では、recordsという用語で、いくつかの記録例をあげている。そのなかにマネジメントレビューの記録も最初からある。最初から、本文と矛盾していることになる。
4.「4.5.1 監視及び測定」における文書と記録の変遷
| ISO14001: 1996 |
パフォーマンス、関連の運用管理並びに組織の環境目的及び目標との適合を追跡するための情報を記録(recording)することを含むこと。 |
| ISO / CD
14001(2001) |
パフォーマンス、関連の運用管理並びに組織の環境目的及び目標との適合を追跡するための情報を記録(recording)することを含むこと。 |
ISO / DIS 140001(2003) |
パフォーマンス、適用される運用管理並びに組織の環境目的及び目標との適合を監視するための情報を文書化(documenting)することを含むこと。 |
|
ISO / FDIS 140001(2004) |
パフォーマンス、適用される運用管理並びに組織の環境目的及び目標との適合を監視するための情報を文書化(documenting)することを含むこと。
|
一方、改訂版の付属書Aでは、パフォーマンスは「A.5.3 記録records」の一例としてあげている。ここでも本文と付属書Aと整合していない。
これもマネジメントレビュー同様、最終的には「記録」になるところであろう。修正しきれていないようである。
文書と記録について、しっかりした基礎概念を持っていないために、混乱は永続するであろう。
|