ISO9001:2000取得の苦しさのクチコミ
(H16年4月2週号)

ISO9000取得拡大につれ、ISO9000を取得すると大変だというクチコミ情報が、底辺にあるようだ。以下、私の経験のうちから抜粋する。

1.T社の例
中小企業のF社は、ISO9000の94年版取得のとき、文書過剰型のコンサルタントの指導で行き詰まり、取得がなかなかできなかった。しかし、管理責任者が勉強熱心で、私のことを知り、私に指導を変えた。そして簡素化したシステムでISO9000を取得した。そして、2000年版ではさらに簡素化して移行した。だから、最初のコンサルタントとの比較で、私の簡潔なISO9000システム構築方法の利点をよく理解していた。
彼は、最近、知り合いのA社に私を連れて行き、あまり苦労せずISO9000を取得し、かつ、継続も楽であるという体験を話した。
A社はISO9000の取得は大変だという先入観があったので、その体験を聞き、すぐにその場で、私に指導依頼がきた。
ところが指導中に、そのA社から、また、その知り合いの15人くらいのT社を紹介された。そのまま、T社の指導が開始された。私は2回ぐらい訪問して、実状が分かったので、実態に合わせてマニュアル素案をスピード作成した。新たに増加した業務は、品質方針や品質目標の設定、教育・訓練の計画や記録、内部監査関係くらいのもので、社長や管理責任者の業務であり、かつ、軽い負荷であった。現場は、今、使っている日常帳票を使うように設計したので、日常書類の増加はゼロであったから、現場との打ち合わせは必要がなく、システムの設計段階までは、管理責任者だけと打ち合わせていた。しかし、T社の管理責任者は、世間で言われるISO9000の書類過剰の問題点をあまり知らないようで、私のやり方が簡素化した独特のやり方であるということを評価できないようであった。

ある日、その管理責任者から、「現場がISO9000の取得に反対している。」という相談があった。私は「貴社は、ISO9000導入で仕事が増加するのは、社長と貴方だけで、しかも微々たる負荷である。普通は、企業に大変な負担となるマニュアル作成も、私が作ってしまった。こういう他社に比較すると独特であるシステムの中味を貴方も現場も評価できないのではないか。それなのに、すでに重いシステムでISO9000を取得した企業の苦労話をクチコミで聞いて、それでISO9000取得の苦しいイメージを描いているのではないか。」と説明した。

2.S社の場合
中小企業のS社の社長からは、2年ぐらい前からメールで、問い合わせがあり、ISO9000を取得するときは、指導をお願いしたいということであったが、なかなか、話が具体化しなかった。
あるとき、その会社の同業者のM社が私の指導でISO9000を取得したので、「百聞は一見にしかず」で、一度、私のシステムを見学したらと紹介した。その見学の帰りに、社長からすぐに指導を開始したいと電話が来た。私のシステムが完全に理解でき、これなら無駄な労力がかからないということを目で見たからである。
指導を開始したら、すでにいろいろ作り出した書類は、他社の真似で過剰なものが多いことが分かった。社長は、この真似した方式で真面目にISO9000をやらないといけないのかと誤解していて、それで決断が遅れていたことが分かった。これらの書類は、全部、廃棄した。

3.N社の場合
中堅部品メーカーのN社の社長は、ISO9000の過剰な書類で、すでに取得した仲間が苦しんでいることを知り、ISO9000取得は積極的でなかった。しかし、取引先の要求で取得する必要に迫られた。たまたま、その社長の友人が経営する同業A社が私の指導で簡素化したシステムで取得したことから、A社の紹介で私にN社の指導依頼がきた。
1冊マニュアルが完成した。得意先からの天下りの管理責任者は、それを持って、かっての大手の親会社に見せに行った。過剰な書類システムで苦しんでいる親会社の品証メンバーは、こんな簡単なマニュアルでは、認証は合格しないと批判した。管理責任者は、会社に帰って、社長に認証合格の責任を持てないと言った。それを社長から聞いて、私は笑って、部長以上に集まってもらい、すでに百社以上の認証実績があり、これらの会社は書類過剰からくるISO9000症状は出ていないことを説明した。
指導中に管理責任者は、次第に、ISO9000や品質に対する考えが変わった。数ヵ月後、無事、簡素化したシステムでISO9000を取得した。
その後、この社長は、紹介してくれたA社の社長に会って、「よいコンサルタントを紹介してくれた。」と手を握って喜んだと、A社の社長から報告が来た。

4.K社の場合
K社の社長は、利益計画にうるさい経営者であった。ISO9000を取得している同業者を見てまわり、こんな大変無駄な書類に追われ、維持コストがかかるシステムの導入は利益をあげるべき企業では無意味であると考え、ISO9000取得はしない方針であった。しかし、たまたま、私の友人から私の指導方法のことを聞き、一度、講演をしてくれという依頼があった。それは、社長個人が理解しても、幹部社員の多数が、クチコミでISO9000をとると仕事にならないほど大変だということで、その導入に反対であったからであった。私は、2時間くらい、事例をあげて、講演した。その結果、社員は理解した。社長から正式にコンサル依頼があった。数ヵ月後、簡素化したシステムでISO9000を取得した。

5.Z社(規模40人)からの管理責任者からのメール
私的にはすぐにでも来て頂きご指導を頂きたいのですが、弊社が受けたコンサルタントの先生は社長が東京から見つけてこられた方で名のある方らしいので社長の承認をもらえそうにありません。しかし、説得は続けていきたいと思います。
とりあえず認証取得したのでコンサルとの契約も切れたのですが、出来上がった品質マニュアルを運用するに当たりすごく不安があります。このホームページで書かれているような悪いシステムの典型になっていると思います。現時点では運用はできていません。本審査にあたり自作自演の記録を作成し取得しました。
本審査では、まさにテニオハ審査員に当たりました。審査員の自分の自慢話も出ましたし、コンサル的口調で責め立てられました。現場の審査で、測定機器の日常点検の記録は記入されているが本当にやっているのか!その点検の手順をやってみせてくれ!と要求されました。記録を信用しないのなら何を信用するのでしょう?他にも納得のいかないコンサル的指摘が多々あるのですが・・・
結局3件の不適合を指摘され是正し認証取得となったのですが1件は納得のいく不適合ではありませんでした。コンサルの先生も私だったら不適合ではないとの見解でした。自分では審査員にたてつく能力もなく言われるがまま素直に従い取得できたらいいかと思っていたのが間違いでした。
自分の無能さを痛感しております。弊社には品質マニュアルに付随する規定が12規定ありますが弊社にとって今のままでは、ISOが企業活動の大きな損害になる事は間違いありません。でも自分でどう改善していったらいいかが分かりません。へたに品質マニュアルや規定を大幅に変更し簡素化してしまったらサーベイランスでの指摘が怖く手がつけられません。
しかし、このホームページで推進されているISOが弊社の経営には必要だと感じました。今は審査員に対抗できるよう本気で勉強しようと思います。社長を説得出来ないときは自腹でもアドバイスを頂きたいと考えています。