三菱ふそうのリコール問題とISO9001:2000
(H16年6月2週号)

先週の読売新聞では、三菱ふそうのリコール問題をISO9001:2000の認証問題とからめて報道していた(http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20040530ve01.htm)。よい問題点をついた報道である。
これと同様の記事は、日経ビジネス1999年10月25日号では「こんなISOはいらない」特集で、富士重の約150万台リコール問題をとりあげているが、ここでは、問題が発覚してから、処置の遅かったことが問題になり、ついに当時の運輸省の立ち入り調査となっている。富士重は、ラインランド技検でISO9001を取得していたので、審査機関の対応を問題にした記事であった(このホームページの「審査/コンサル体験談」コーナーの「産経新聞の『審査トラブル続出』記事のコメント:H16年3月2週号の「2.製品審査とマネジメントシステム審査の違いの常識論」の「(3)自動車のリコール」参照)。

読売新聞の同報道によると、三菱ふそうのISO9001:2000の審査をした機関に対し、JABが認証登録を抹消すべきではないかという強い要請があり、審査機関が困惑している状況を報道していた。三菱側は市場の信頼を維持するために、認証を失いたくないとのこと。決着はどうなるであろうか。

確かに、この問題は、純粋の技術的な内容でなく、事故の原因をかくしていたというマネジメントシステムの問題なので、マネジメントシステム認証のISO9001:2000がモロにからむ(このホームページの「回転扉事故:安全とマニュアル化:H16年5月4週号」参照)。

ただ、新聞報道によると、どうも三菱ふそうのISO9001:2000は、設計部門が含まれておらず、工場だけで認証を取得しているようだ。これもおかしな取得である。ISO9001:2000は、ISO9002:1994を廃止する代わりに、設計活動があるときは、除外できないはずである。設計を顧客扱いにしているようである。今回の問題は、設計が主な原因になっているだけに、除外も問題であろう。その点、突っ込んだ取材が欲しかった。

同じ頃、私の指導先の会社が3年目の更新審査を受けた。そのとき、来た審査員がこれから三菱自動車に審査に行くのだという。この審査員の審査機関は外資系である。どうも最近、三菱自動車は、この審査機関に変更したとのこと。前の審査機関はどこであったか聞かなかった。変更の理由も聞かなかったが、偶然のタイミングで読売新聞の上記の報道を見ながら、何か、このリコール問題がISO9000審査制度の信頼性の問題まで拡大していることを感じた。