7.の除外の表現方法
(H16年6月4週号)

1.名著「中小企業のためのISO9001:ISO/TC176よりの助言」(2000年版向け・和訳なし)
「除外」について、次のように、概要述べている。

「やりたくないということだけで除外はできない。規格で要求していることを従来から、実施していないという事実だけでは、除外できない。
除外を検討するとき、次の点を考慮すべきである。
・その要求の背景にある考えは何か。
・この要求を満足することによって、防止できる問題は何か。
・その要求を満足することは、顧客を満足させるか。
・その要求に貴社が責任がないとすると、誰が行うか。

例として、もし、設計(7.3)がないのであれば、設計プロセスは必要がない。

他の例として、次があげられる。
・測定機器を使っていないときは、校正の要求(7.6)は除外となる。
・顧客支給品がないときは、7.5.4は除外となる。

ときには、7.の1つの項目の中で、ある特定項目が除外で、他は除外できない場合もあるだろう。例えば、7.5.3の項目中で、トレーサビリティが除外で、識別が除外できない場合がある。

2.JABホームページのワークショップ
「実際には、業務機能がないのに、特段、そのことにふれず、結果としてあたかもあるように、誤認させることも問題である。」
「今はないが、近いうちに設計機能を持ちたいというときは、後で追加すればよいのであり、現在は適用外となる。」

としている。

結論的には、shall要求レベル(a)とか、b)レベルも含め)まで、明確にしたほうがよいであろう。

3.B社のマニュアルの表現
M社は、顧客よりの支給品を受けて、組立だけ行う、完全な下請け企業である。したがって、除外事項が多い。そこで、上記の1、2の指針にそって、品質マニュアルの第1頁に次のように表で除外を明確に示した。

ISO9001:2000項目番号
除外内容
除外理由
7.2.1c)
製品に関連する法令・規制事項の明確化 顧客が行うという要求のため。
7.3
設計・開発 顧客が行うという要求のため。
7.4.3
このうち、供給先での検証 顧客要求が無く、また、該当業務がないため。
7.5.2
製造及びサービス提供に関係するプロセスの妥当性確認 顧客要求が無く、このため該当業務がないため。
7.6
このうち、校正に関する項目 顧客の要求で、顧客が校正した計測器を使用するため。

ところが、審査員は、7.3の除外以外は、除外をうたわなくてもいいのではないかと、不適合ではないが、観察事項として指摘した。
B社では、上記の1,2の指針を示し、こういう書き方のほうが、権威がある指針にそっていると言って、反論し、これで審査員は何も言わなくなった。

プロの審査員たる者は、「中小企業のためのISO9001」は、英文であろうと研究して、読んでおくべきである。企業側から反論され、この本を読んでいないと分かったら、どのように言い訳をするのであろうか。