S社は、B機関の維持審査を受けた。最初のときと審査員が代わった。今度の審査員は、細かく、ねちこかった。最初、「ああしたらどうか。こうしたらどうか。」と無意味なコンサル的な議論に時間をとられるので、途中で、適合性の審査に徹するように、要請した。そうしたら、なお、ねちこくなったという。
結果として、マネジメントレビューとフォークリフトの点検との2点が軽度の不適合として指摘され、ねちこい議論に疲れた果てた管理責任者はよく考えず、サインしてしまった。
警察で、しつこい尋問を受けた無実の罪の者が、面倒になり、つい、自白調書にサインするのと似ている。
しかし、サインした以上、管理責任者は「原因」と「是正処置」を書いて、審査機関に提出しなければならない。しかし、審査後、よく検討すると、審査員の指摘はおかしい。そこで、次のように書いて提出した(太字部分)。
審査後に、こんな反論が是正処置で発生しないように、審査員は、しっかりした不適合指摘をすべきである。結果として、審査員の資格不適合の指摘となったのは皮肉である。
なお、S社の品質マニュアルにおけるマネジメントレビューに関する記述は、このホームページの「2000年版項目別分類コーナー」の「5.経営者の責任」の“マネジメントレビューは、“文書化した手順”要求?:H16年9月5週号”のT社と同じ。審査機関が異なるがT社でも同じ指摘をされている。審査員の文書の画一化傾向が見られる。
1.5.6.3 マネジメントレビューのアウトプット
| 不適合項目 |
| 品質マニュアルにインプットについて明記されているが、アウトプットのa)、b)、c)の3項目が明記されていない。 |
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| 原因 |
| 管理責任者が規格4.2.1の文書化要求の理解不足、あるいはshallの理解不足により、“マネジメントレビューのアウトプットのa)、b)、c)を、品質マニュアルに文書化すること”という要求(shall)がないのに、これを確認せず、審査員の指摘をそのまま不適合として認めたもの。なお、インプットは、規格要求と当社書類名との対照が複雑なので表をマニュアルに記載したものである。 |
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| 是正処置 |
| 再度、規格をよく読み、不適合に抵触するshallがないことが理解できたので、品質マニュアルはそのままとします。したがって、不適合でなく観察事項として扱います。なお、不適合指摘がなかった「マネジメントレビュー記録書」は記載不備を発見したので、この際、修正します。 |
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2.7.5.1 c)適切な設備の使用
| 不適合項目 |
| フォークリフトの法定定期点検をしていなかった。 |
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| 原因 |
| 管理責任者が規格の不勉強で、規格の序文「0.4 他のマネジメントシステムとの両立性」に「この規格には、環境マネジメント、労働安全衛生マネジメント、財務マネジメント、リスクマネジメントなどの他のマネジメントシステムに固有な要求事項は含まれていない。」という箇所を理解できず、審査員の指摘を不適合として認めたもの。 |
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| 是正処置 |
| 管理責任者の勉強の結果、上記序文により、フォークリフトの法定点検は、労働安全衛生法に基づくものであり、これは労働安全衛生マネジメント(現在、ISOにはなっていないがOHSAS 18001があるとのこと)固有の要求なので、品質マネジメントシステムの審査としては不適合でないことを理解しました。したがって、不適合でなく観察事項として取り扱います。 |
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