K社の維持審査の結果
(H16年12月3週号)

K社(従業員十数名)はISO9001:2000の認証以来、すでに3年目になる。最近の維持審査は5回目で、不適合はゼロであった。
しかし、下記のような「付加価値審査」を目的とする助言が5項目あった。5項目とも全部、書類作成の手間が増え、かつ、それに見合う効果と対比の説明や配慮がないことが特徴であった。だから、コストの厳しい、小企業であるK社のマネジメントシステムの改善に寄与するものはなかった。結局、審査員は書類を増加することが「付加価値」向上になるという考え(このホームページの基礎知識コーナーの「2つの違った品質保証のパラダイム(paradigm):H15年3月1週号」参照)を思いつきで言っているだけであった。

番号
審査員の助言事項
K社の対応
増加コスト
期待効果
理由
1
内部監査の不適合の原因分析の内容をより明確にすることが望ましい。 改訂の必要なし。 詳しく書く手間 なし 当社のシステムは簡潔なため、定着しており、このため、不適合は稀で、あっても、記録の捺印漏れとかいう内容である。これは、影響度が少ないので、是正処置は不要である。
2
検査記録に使った計測器番号の記録もすることが望ましい。 不必要な記録の手間 なし 当社は、計測器の貸出し管理をしているので、問題があれば、検査記録から容易に使用計測器は分かる。一々、記録するのは、地震が起こらない地域に保険をかけるに等しい。
3
新規取引業者の評価のプロセスをより明確にすることが望ましい。 新規業者と継続業者と手順と記録を分ける手間 なし 当社は、業者評価のときに、当社との過去の直接取引のデータを用いない評価基準である。したがって、新規も継続も同じ基評価基準である。新規業者といっても、当業界では、当社より長い業界実績もあり、規模が大きい会社が多い。
4
毎月の品質統計の集計及び分析プロセスを明確化が望ましい。 不必要な手順書作成の手間 なし 明確化ということが文書化を意味するとすれば、毎日、全員が顔を合わせている当社のような小企業では、あまり意味がない。
5
顧客からの価格決定の通知書を管理資料として登録することが望ましい。 登録する手間 なし 金額のことしか書いていない文書である。これを品質関係書類として登録する必要性はない。