| 1.ISO14001の付加価値審査
TS社で、先日、ISO14001の2回目の更新審査を受けた。J審査機関のA審査員は次のように観察指摘事項を指摘した。J審査機関は「付加価値審査」を宣伝している機関である。
「環境の為のISOを乗り越え、ISO14001を御社のマネジメントツールとして活用し環境保全と共に御社の利益・ムダ防止につながる環境側面の抽出・評価の方法を研究されることが有用です。」
「観察指摘事項なので、必要と思われるなら対応することでよい。」ということだったので、時間の関係もあり、審査はそれで終了した。TS社の管理責任者は、この審査員の言っている意味が全く理解でなかった。何故なら、利益・ムダ防止に取り組むのは、別にISO14001とは関係なく、経営の基本である。いまさら、利益・ムダ防止のために環境側面の抽出方法を研究するのは、規格の主旨から考えてもおかしい。また、環境ISOを乗り越えISO14001をマネジメントツールとして活用云々についても、矛盾した指摘で、論理性がない。第一、日本語になっていない。論理的な英語には翻訳がさらに困難。
2.審査員の珍言の多発
「環境のためのISOを乗り越え」とは、具体的にはどういうことか。登山ではないのである。「マネジメントツール」とはどういう意味か。ISO14001はマネジメントツールの1つではないか。世の中には、マネジメントツールなど、テイラーから始まり、百年以上の歴史があり、ツールはいやと言うほど沢山ある(このホームページの「審査/コンサル経験談」コーナーの“付加価値審査に必要な力量:H16年8月2週号”参照)。
「利益・ムダ防止につながる環境側面の抽出・評価」とはどういう意味か。ISO14001の認証を得るのに、環境側面をもれなく抽出したはずである。それ以外の環境側面があるのか?
これは、簡単言えば、「ISO14001の規格認証だけで満足するのでなく、経営の利益向上を目指し、いろいろなマネジメントツールを使いなさい。」ということに過ぎない。そう言えば終わりであり、正しい日本語になる。しかし、これでは、常識であり、重みがない。
ISO14001の審査に来た「偉い審査員」だから、この当たり前のことを無理にISO14001にこじつけ、偉そうに言わないといけない。もともと、直接に関係のないものを結びつけるので、分けのわからないセンテンスを「でっちあげる」しかない。だから、正しい日本語にならない。珍言となる。これは、ISO9001審査でも同様で、「品質の為のISOを乗り越え、ISO9001を御社のマネジメントツールとして活用し品質保証と共に御社の利益・ムダ防止につながるシステム確立の方法を研究されることが有用です。」という珍言となる。
このA審査員の所属するJ審査機関が、「付加価値審査」を審査員に強制しているための現象だが(このホームページの「新着ニュース12月1週号・号外」参照)、力量不足の審査員には酷な要求で、実態はこのような珍言の多発となる。日本語が乱れるのは、学生だけでないようだ。
こんな珍言につきあう企業側は時間の無駄を嘆くことになる。
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