1.デミング賞型ISO9000から簡潔型ISO9000へ
M社は、30人くらいの製造業である。ISO9000は、94年版で最初取得した。このとき、得意先の紹介で、ある大手の品証部門の経験があるコンサルタントの指導を受けた。この大手の会社はデミング賞を取った会社であるという。
しかし、無駄な書類を押し付けるので、会社との間がギクシャクした。
結局、重い書類システムで94年の認証を得た。
その後、2000年版に移行するとき、当社にコンサル依頼がきた。管理規定もなくし、文書番号もなくし、配付台帳もなくすという6ゼロシステムを導入した。簡素なシステムで2000年版移行を終わった。
2.毎年変わる品質方針?
今年になって、今度はISO14001:2004取得に対する支援依頼がきた。当社の場合は、ISO9001:2000が1冊マニュアルで管理規定ゼロの場合、品質マニュアルは「品質・環境マニュアル」となり、統合される。効率的である。
したがって、統合のため、2年目を迎えたISO9001:2000を見た。そうしたら、2年目に品質方針が変わっている。
私は「ポリシーとは、経営者の基本的な考えだから、品質目標と違い、毎年、定期的に変更をするものではない。」とコメントした。
そして、この会社が94年版のときに、コンサルタントがTQC型のISO9000を導入していたことを思い出した。
TQCでは、方針管理と言って、方針が社長から毎年出され、これに基づき、各部門の具体的な目標が設定され、最後は、個人目標まで降りる。
M社は、94年版のとき、社長方針、部方針、課方針、係方針、個人目標という段階ごとのシートがあった。しかし、30人くらいの小企業なので、部長でもほとんど実務をしており、係長は実は作業者であった。だから、このシステムは、私が最初に訪問したときには、事実上は崩壊していた。TQC型は無理であったのである。これは、他の中小企業でもみられた(このホームページの審査/コンサル経験談の“目標管理とISO9001:2000 :H16年9月4週号”参照)。
社長は、この方針管理を指導された名残りで、年度が変わったので、品質方針も変えたのである。TQCの表面的な理解が、正しいISO9001:2000の理解を妨げたことになる。
最初の品質方針と、変えた品質方針は内容的に同じで、言葉だけいじっていた。社長は「いろいろ考えたが、結局、内容的には変える必要はないので、やむを得ず、表現だけ変えた。」と言っていた。私は「それは意味のない文字いじりです。」と言って、最初の方針にもどした。 |