T社の観察事項
(H17年1月3週号)

T社は15人くらいの機械加工業で、部品を製造している。最近、ISO9001:2000の本審査を不適合なしで認証を終えた。4つの観察事項がありT社の対応は次のようであった。

番号
観察事項内容
T社の費用対効果分析の対応
投入コスト
効果
対応
1
品質マネジメントシステム用語(ISO9000:2000)に慣れることを勧める。 アウトソース、コミットメントなどのカタカナ語や、教育・訓練と教育の使い分けなどの直訳語に慣れることは、当社の日常生産用語と直接関係ないので訓練コスト増。 当社では日常の社員行動は実質的にISO9001要求に対応している。ので、さらに慣れない用語を強制することは、規格の要求が日常活動と別なものであるという誤解を社員に招くデメリットが想定される。例えば、当社ではアウトソースを外部委託として用い、カタカナ英語の使用はできるだけ避けている。勉強すべきは、技術力の向上であり、なじまない日本語ではないと考える。 投入コストと効果を比較すると無駄なコストアップになるので勧告は受諾不要。
2
将来のことも考え、適用除外の文書化をより明確にされることを勧める。 実態のないシステムを空想で構築するコスト増。 実体がない事実は、これを明確にしないと、当社の現状を誤解させるデメリットがある(このホームページの2000年版項目別分類の「4.1一般」の「7.の除外の表現方法:H16年6月4週号」参照)
3
「不良品処理書」「不良品対策書」の保管期間を現行の3年から長期に保管される事を勧める。 例えば、5年に延長すると、それだけ保管コスト増。顧客の製品要求の変化で3年でも長いと考えている。 不良品の処理も対策も迅速に対応することが重要。対策書も保管期間でなく「真因」に基づく改善の定着が品質向上では重要。記録保管の重視は真の品質向上の理解を妨害するデメリットがある。第一5年も継続生産する品番は少ない。
4
メッキ処理、熱処理など7.5.2のプロセスの妥当性の確認が必要なものをアウトソースしたときの管理をより確実にするシステムの導入を勧める。 これらの専門業者を定期的に調査したり、納品ごとに書類を提出させたりすると、その管理コスト増。 現在、当社は簡単な業者調査表で調査し、認定。相手は実績があり、当社よりも規模が大きい専門業者である。当社は技術的にメッキや熱処理は専門外。その当社が管理上、技術上、それら業者につけ加えることはない。業者への書類の添付強要などは、業者がメッキ処理や熱処理の真の品質向上から目をそらさすデメリットがある。