K社の文書審査結果
(H17年2月3週号)

K社は、従業員50名くらいの部品メーカーである。顧客の図面で加工をしているから、製品設計はない。文書審査開始前に、管理責任者が「付加価値審査ではなく、適合性審査に徹して下さい」と言ったところ、審査員は、そんなことを言われたのは初めてだと面食らっていたとのこと。適合性の審査の意味を知らないようであった。こういう審査員は、緊張感がないから、大抵、不勉強である。当然、下記のようにレベルの低いものとなった。

文書審査指摘事項K社対応表
番号
ISO
番号
グレイド
審査員指摘内容
K社対応
理由
1
4.2.3
不適合 文書は最新版の管理をする必要があるが、「外部文書管理台帳」に記載されている各文書は、それぞれ個別の文書表記になっていない、発行日が分からないなどのために、最新版の管理ができるようになっていなかった。 修正不要。 「外部文書管理台帳」に登録のものは、直接、業務に使用しないJIS一般規格や品質管理参考書類としてマニュアルで区分している。これらは、外部機関の権限で審査・承認、改訂を行うもので、常識的に当社のISO9001:2000の「4.2.3 文書管理」の審査・承認、改訂には該当しない。また、外部文書を個別に台帳管理せよというshall要求はない。
2
5.4.1
不適合 品質目標に関して、品質マニュアル等においてISO要求事項である組織内のそれぞれの部門及び階層において品質目標が確実に設定されるようになっていなかった。 修正不要。 品質目標をそのまま、品質マニュアルに明記せよというshallなし。マニュアルには、品質目標の設定を確実にするように、毎年年度初めに、「品質目標計画書」で社長が設定するように定めている。これは、文書審査の問題でなく、本審査で「品質目標計画書」をチェックすべきことである。
3
4.2.2
不適合に近い 適用除外項目について、本質的な除外項目かどうかを区別し、単に今実施していないものについては、除外を再検討することが望ましい。 修正不要。 当社はISO本部発行の解説書及びJAB・HPのTC176日本代表のワークショップ解説に基づいて説明している(このホームページの2000年版項目別分類の「4.1一般」の「7.の除外の表現方法:H16年6月4週号」参照)。
4
7.2.1
不適合に近い 製品要求事項について、顧客の要求事項以外の項目についても更に明確にすることが望まれる。 修正不要。 7.2.1はshallで“文書化した手順”要求なし。当社では「製作指示書」で確認しているとマニュアルにあるので、本審査でそれを確認すればよいことである。
5
8.5.3
不適合に近い 予防処置について、是正処置計画書の中の予防処置の表現について、本来の予防処置か、単なる横展開か、十分注意することが望ましい。 修正不要。 「本来の予防処置か、単なる横展開か」とあるが、「本来の予防処置」、「横展開」の定義はISO9000:2000の用語定義にない。当社はISO本部発行の解説及びISO9000:2000の用語定義に基づいて両方とも「起こりえる予防処置」になるので、予防処置としている。
6
5.5.1
観察事項 各部署の責任・権限は品質マニュアルに記載されているとのことであるが、実際の業務の主要な仕事が、本当に記載されているかどうか、再度確認することが望ましい。 修正不要。 「主要な仕事」とは、ISO9001:2000にそった内容であるので、136のshallは除外も含め、もれなく記載されている。文書上、記載漏れのshallがあれば、どのshallがもれているかを文書審査で指摘すべきであろう。