T社の予備審査対応
(H17年3月3週号)

従業員約30名の部品加工業のT社が、先週、B審査機関によりISO9001:2000の予備審査を受けた。審査の結果は、不適合と観察事項の区別が的確にできないという審査員としての基礎的な力量が不足していることが明らかになった。
T社は、下表のような審査機関にクレームを提出した。

番号
規格条項
指摘内容
グレード
当社対応
理由
1
7.2.1d)
規格では「組織が必要と判断する追加要求事項」を明確にすることになっているが、その詳細手順の文書化がない。
不適合
修正不要
部品メーカーとして、顧客との交渉はすべて手順書化できるような単純なものではない。書いても誰も読まない。文書化した手順要求がない。不適合として抵触するshallがない。
2
7.4.3
規格では「必要な検査又はその他の活動を定めて実施する」と規定しているが、マニュアルで引用している「検査標準書」に手順がない。
不適合
修正不要
手順は文書化されているが、より詳細に書くべきだという指摘。この条項はもともと文書化した手順要求がない。不適合として抵触するshallがない。
3
8.2.4
マニュアルでは「工程が完了し、検査担当者の合格が明記されないものは、次工程の移動、又は出荷は不可」と規定しているが、「工程管理表」で「選別」作業が合格したかどうかを確認できませんでした。
不適合
修正不要
これは、規格の「個別製品の実現の計画で決めたことが問題なく完了するまでは、製品のリリース及びサービス提供は行わないこと。」の要求に対応。製品の実現計画は「工程管理表」に示されており、これに実績を記入し、全工程の完了確認を行う。マニュアルには、選別の合否の記録は下位文書の「選別記録表」に記録するとあるから、矛盾しない。審査員が規格要求との対応関係を理解していない。
4
6.2.1
製造部の要員に必要な力量は「訓練記録」や「資格認定登録台帳」などに記載されていますが、一層分かりやすくなるように検討する余地があります。
観察事項
修正不要
作業ごとのランク管理の要求。「一応できる」「大体できる」「よくできる」というランク基準自体があいまいであり、かえって不明確になる。ランク管理が不要なように工程を改善する方が品質安定上、重要である。(このホームページの2000年版項目別分類6 の「力量のレベル?:H14年12月1週号」参照)。
5
7.5.2
破壊テスト員の資格などを一層明確にすることが望まれます。
観察事項
修正不要
この項目のc)「設備の承認及び要員の適格性確認」の「要員の適切性確認」とは、検査員でなく、作業者である。当社は、この工程の作業者は資格制をとっている。なお、破壊検査作業は簡単で資格制になじまない。