もう、旧聞になるが、9月初めにJR宝塚線の脱線事故を調査している委員会から中間報告が公表された。しかし、高見運転手の行動には、まだ、謎が多いようだ。
ここで、この問題を鵜モデルとISO9001:2000の「8.5.2是正処置」の関連でふれてみたい。
1.鵜モデル
「鵜」モデルでは、「鵜」と「鵜匠」との関係がマネジメントモデルとして考えられる(このホームページの基礎知識コーナーの「品質マネジメントプロセスと製品実現プロセスの関係質疑・その1/2・A氏とのやりとり:H17年8月5週号」の後半参照)。
このJRの場合、「鵜」は運転手である。この事故の「鵜」の行動の詳細は、調査が進むにつれ、ますます、謎が深まり、事故直前に約40秒間、運転操作をしていなかったことが分かってきた。「空白の40秒間」である。
しかし、「鵜匠」は誰か?「鵜匠」はどのような「綱さばき」をしていたのか?「綱さばき」ミスか?この方面の調査は精密でないようだ。マネジメントに関心がないのが日本的な特徴か?
過密ダイヤ編成、急カーブへのATSの設置、日勤教育という是正処置は、「鵜匠」の問題ではないのか?(このホームページの品質、環境問題に関する社会問題コーナーの「JR西日本・宝塚線脱線事故のマネジメント視点からの仮想記者会見:H17年5月2週号」参照)。
高見運転手の「空白の40秒間」ではいかなる脳の活動が行われていたのか?なぜ、「鵜」は「鵜匠」の手綱を離れたのか?いや、JRの「鵜匠」の手綱そのものにそういう暴発の宿命があったのか?
2.是正処置
高見運転手は、日勤教育を3回受けている。3回目は100メートルのオーバーランに対するものである。この結果、13日間の日勤教育を受けている。これはISO9001:2000でいうところの「是正処置」である。だから、この是正処置が効果的なら高見運転手による事故は再発しなかった(このホームページの品質、環境問題に関する社会問題コーナーの「日勤教育:H17年5月1週号」、「タブー語と日勤教育の反省文:H17年6月5週号」参照)。
「鵜匠」は、この日勤教育が、効果的な是正処置になっていたのかをレビューする必要がある。これがISO9001:2000の「8.5.2是正処置」のf)の「是正処置のレビュー」の要求である。
評価結果は再発したので効果なしである。昨年のオーバーランのa)からe)までの一連の活動の見直しではない。再発は、今年4月25日に大事故として発生し、新しい事態でa)からe)までの一連の活動が行われている(このホームページの2000年版項目別分類コーナーの8.5改善の「8.5.2 f)のJIS参考トラブル、まだ続く:H17年8月2週号」、「8.5.2
f)に対するJIS参考トラブル後日談:H17年8月3週号」参照)。
今、JRはこの事故を教訓にダイヤ編成、ATSの設置、日勤教育を含め改善しているという。そこにISO9001:2000の「8.5.2是正処置」のf)の「是正処置のレビュー」の意味があろう。 |